【価格/納期は?】フェラーリ・ポルトフィーノM、日本導入 改良新型モデル、サイズ/スペックを解説

公開 : 2021.01.14 09:15  更新 : 2021.10.11 09:40

フェラーリポルトフィーノM 内装

ポルトフィーノMのインテリアは、従来型のデザインと構成がそのまま受け継がれている。

ダッシュボードは3層で構成され、上のエリア(層)にはインストゥルメント・パネル、空調エアベント、パッセンジャー用ディスプレイを配置し、レザーのトリムが施される。

ポルトフィーノMの前席内装
ポルトフィーノMの前席内装    上野和秀

2層目は水平に伸びるアルミニウムのブレードが標準となる。中央には10.25インチのタッチスクリーン・ディスプレイが配された。

空調の操作部やシートヒーターなどの操作機能はその下のエリアにまとめ、フロアコンソールにはドライブモードのスイッチが配置されることも旧モデルと変わらない。

ステアリングホイールも同じデザインを踏襲するが、シルバーだったスポーク部分がカーボン仕上げに。

また、マネッティーノが5ポジションに増えた点が異なる。

フェラーリ・ポルトフィーノM シャシー

ポルトフィーノMのスペースフレームは、従来型と同様に、要所にアルミニウム鋳造で製作されたコンポーネントとアルミ引抜き材で構成されるものがキャリーオーバーされた。

ポルトフィーノになった段階で、複数の部材を組み合わせて構成されていた部分の一体化を進め、極めて高いシャシー剛性を実現している。

ポルトフィーノMの前・後席内装
ポルトフィーノMの前・後席内装    上野和秀

サスペンションは、フロントがダブルウイッシュボーン、リアはマルチリンク式が引き継がれた。

ここにいつものマグネライド・ダンパーが組み合わされ、走行モードやダイナミック・コントロールシステムに対応し、瞬時に減衰力が最適化される。

ブレーキはフェラーリの定番となったカーボン・セラミック製のベンチレーテッド・ローターが備わる。フロントは390mm径34mm厚、リアは360mm径32mm厚。

このほかブレーキ・ペダルの踏み代を約10%減少させ、ブレーキング時のインプットに対して正確に素早く反応できるようになり、コントロールし易くされたことも見逃せない。

フェラーリ・ポルトフィーノM パワートレイン

「M」に進化して、最大のニュースといえるのがパワーアップと8速ギアボックスの採用だ。

V型8気筒3855ccツインターボは、新しいカムプロファイルとされ、バルブリフト量を増やすことにより最高出力は20psアップ。620psを発揮する。

20psのパワーアップを果たしたV8ツインターボは、ボンネット下に低くマウントされている。
20psのパワーアップを果たしたV8ツインターボは、ボンネット下に低くマウントされている。    上野和秀

ターボチャージャーには回転数を検知するセンサーが追加され、これによりタービンの最高回転数が5000rpm向上し充填効率が高まっている。

また、ポルトフィーノMでも「ゼロ・ターボラグ」コンセプトを継承し、全回転域で瞬時のスロットル・レスポンスを誇る。

新採用のバリアブル・ブースト・マネジメントにより、ギアに合わせてトルクが調整され、回転が上昇するにつれピックアップを鋭くするという。

新採用の8速ギアボックスはSF90ストラダーレに端を発する新系列で、後輪のデフと一体となったトランスアクスル・レイアウトとなる。

バリアブル・ブースト・マネジメントの採用により1速から7速まではショートレシオで力強い加速感を、8速はハイギアードとされ燃料消費量と排出ガスの抑制を実現した。

また、新たに採用されたクラッチ・ユニットは、20%も小型化されながらトルク伝達量は35%増大している。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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