日産、英国サンダーランド工場でチェリー車生産か 急成長中の中国メーカー 空いたライン活用で2027年度から
公開 : 2026.06.05 07:45
日産は、ジェイクー(Jaecoo)など複数ブランドを傘下に持つ中国のチェリー(奇瑞汽車)と覚書を交わし、英国サンダーランド工場でチェリー車を生産することを検討しています。同工場ではラインを1本に集約しました。
法的拘束力のない覚書を締結
日産は、チェリー(奇瑞汽車)との新たな提携の一環として、来年から英国サンダーランド工場で中国車の生産を開始する可能性がある。
両社は、2027年度に同工場の第1ラインでチェリーの乗用車の生産を開始することを目指し、法的拘束力のない覚書に署名した。工場の設備や従業員は引き続き日産が維持する。

チェリーは、急成長中のジェイクー(Jaecoo)、オモダ(Omoda)、レパス(Lepas)といったSUVブランドの親会社だが、英国でどのモデルを生産するかは明らかにしていない。同社は英国市場において、参入からわずか2年で、各ブランド合計で約7%のシェアを獲得している。
現地生産により、チェリーは輸送コストを大幅に削減できるほか、欧州連合(EU)が中国製EVに課す高額な関税を回避できる。このため、中国よりも高い英国の人件費およびエネルギーコストをある程度相殺できるだろう。
日産は最近、大規模なグローバルコスト削減プログラムの一環として、サンダーランド工場の生産を2ラインから1ラインに集約する計画を発表した。これにより、リーフ、キャシュカイ、ジュークといったSUVモデルが同一ラインで生産されることになる。こうして空きが生じたラインに、他社を招こうとしている。
欧州での現地生産を進めたい中国メーカー
日産のイヴァン・エスピノーサCEOは先月、閉鎖ラインを引き受ける企業を見つけられると「確信している」と述べていた。その有力な候補としてチェリーと、日産の中国での合弁パートナーである東風汽車の名も挙がった。
日産AMIEOのマッシミリアーノ・メッシーナ議長は、「本取り組みは、当社の事業運営にとって重要な一歩です。今後数か月にわたりチェリー・インターナショナルUKと協議を進め、両社にとって最適な枠組みをまとめていくことを期待しています」と述べている。

日産は、この決定は法的拘束力のないものであると強調し、現段階ではこれ以上の詳細を明らかにしていない。
中国の大手メーカー各社は、欧州での急速な成長を活かし、現地生産の実現を推し進めている。チェリーは最近、スペインのバルセロナ近郊にある日産の旧工場にて、現地ブランドであるエブロと提携して自動車生産を開始する計画を明らかにした。エブロは現在、チェリー車を自社ブランドから販売している。
一方、上海に本拠を置く上海汽車(SAIC)は今週初め、スペインのガリシア近郊に新たなMGの工場を建設すると発表した。また、東風汽車も最近、フランスのステランティス工場での自動車生産に関する契約を締結した。中国最大手の自動車メーカーの1つであるBYDは、今後数年のうちにトルコとハンガリーの新工場で生産を開始する計画だ。






















