英国スポーツカーメーカー『ウェストフィールド』事業売却 新モデル開発に本腰、ドイツへ工場移転か

公開 : 2026.06.05 07:05

英国のスポーツカーメーカー、ウェストフィールド(Westfield)がオランダのドライビングイベント運営会社へ売却されました。新体制の下、滞っていた新型車の開発やスペアパーツ供給に力を入れる方針です。

オランダのイベント運営会社が新オーナーに

44年の歴史を持つ英国のスポーツカーおよびキットカーメーカー『ウェストフィールド(Westfield)』は、自主清算を経てドライビング・ファン社に売却された。

ドライビング・ファンは欧州最大級のドライビングイベント運営会社で、今後はウェストフィールドの既存モデルの生産を継続するとともに、「活発な愛好家層」向けに新型車の開発を計画している。

ウェストフィールド
ウェストフィールド

1982年の設立以来、ウェストフィールドは約1万6000台を販売したと推定される。

新オーナーとなったオランダ生まれのピーター・トゥニッセン氏は、大学に進学する代わりに、20年前にドライビング・ファンを立ち上げた。現在、同社は年間100回以上のサーキット走行会を主催し、ニュルブルクリンクに2つのホテルを所有している。本社はオランダ・アムステルダムから東へ約3時間、ドイツ国境を越えたニーダーザクセン州にある自社所有のサーキット、サーキット・メッペンに置かれている。

サーキット・メッペンは旧発電所の敷地内に位置し、ドライビング・ファンはすでに約930平方メートルの工場を構えている。トゥニッセン氏は、この工場がウェストフィールドの車両およびスペアパーツの生産に最適だと考えている。

トップはウェストフィールド愛好家

ウェストフィールドは2022年初頭に経営破綻し、実業家ナイジェル・トリルク氏の手によって救済され、新会社ウェストフィールド・チェシルへと生まれ変わった。ただし、今回ドライビング・ファンが買収したのはウェストフィールド部門のみである。ポルシェ356のレプリカ生産で知られるチェシル(Chesil)部門は未売却のままだが、現在、別の買い手との「協議」が進められているという。

ナイジェル・トリルク氏は、以前からドライビング・ファンとトゥニッセン氏をよく知っており、彼を「素晴らしいビジョンを持つ非常に前向きな人物」と評した。

ウェストフィールドFW300
ウェストフィールドFW300

トゥニッセン氏は、ウェストフィールドの買収が「決して単なるビジネス上の決定ではない」と強調した。長年、同氏はウェストフィールド車の性能と手頃な価格設定に惹かれており、オランダで人気を博しているレースシリーズ「ウェストフィールド・カップ」への参戦を決めたほどだ。

現在、ドライビング・ファンでは主催イベントでウェストフィールド車を提供しているほか、本格的なレーシングカーも運用している。トゥニッセン氏の推定によると、オランダ国内だけでもレース参加資格を持つ車両は約60台あり、さらにウェストフィールド・クラブには300台のロードカーが所属しているという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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