【571psにガルウイング】メルセデス・ベンツSLS AMG 英国版中古車ガイド 価格は上昇中

公開 : 2021.02.08 10:25  更新 : 2021.07.12 18:45

不具合を起こしやすいポイント

ボディ

車両代も維持費も高いため、SLSは丁寧に扱われていることがほとんど。しかし、擦り傷や事故の履歴がないか、良く確かめておきたい。ガルウイングドアは大きく開くため、隣のクルマや壁にぶつかりやすい。

コンバーチブルの場合、ルーフが滑らかに動くか確かめる。正常なら11秒で動作が終了する。

エンジン

メルセデス・ベンツSLS AMG(2010〜2014年/英国仕様)
メルセデス・ベンツSLS AMG(2010〜2014年/英国仕様)

AMG謹製のV8エンジンは堅牢で信頼性が高い。日常的な走行では、燃費は5.3km/L前後になる。基本的な点検に500ポンド(7万円)、詳細の点検には1000ポンド(14万円)の予算は必要。

エンジンオイルの交換は、1万6000km以内に済ませたい。フィルターの交換も忘れずに。

トランスミッション

ゲトラグ社製の7速デュアルクラッチATは、2012年以前のモデルでは変速が遅い。2013年に無料のソフトウエア・アップデートを行っている。対応済みかどうか、確認しておきたい。

多くの専門ショップは、トランスミッションは分解できない密閉構造だと捉えている。不具合が起きると、まるごとの交換が一般的。新しいユニットの製造を待つ必要がある。

タイヤ

派手なドリフトを楽しむと、1620kgもあるSLSのタイヤはすぐにすり減る。タイヤは特に珍しいサイズではないものの、ブランドはミシュラン・パイロットスポーツか、ピレリPゼロ。1本250ポンド(3万5000円)くらいはする。

8000km毎にローテーションするのは賢明な維持方法。

ブレーキ

カーボンセラミック・ブレーキは人気アイテム。当時最も高価なオプションだったが、装備された例も多い。標準のブレーキより制動力は大幅に高まり、重量は40%も軽い。

普段遣いにはハードコアすぎる、と感じるドライバーもいるだろう。キャリパーとディスクの交換だけで、約8000ポンド(112万円)の費用がかかる。

専門家の意見を聞いてみる

トム・ジャコネリ ロマンス・インターナショナル代表

「メルセデス・ベンツSLS AMGはモダン・クラシックとしての取り引きが始まっています。2014年には10万ポンド程度まで下落していましたが、最近は上昇傾向です」

メルセデス・ベンツSLS AMG(2010〜2014年/英国仕様)
メルセデス・ベンツSLS AMG(2010〜2014年/英国仕様)

「英国での価格差は大きく、低走行距離のトップスペックでは、18万ポンド(2520万円)から20万ポンド(2800万円)。でも、5万kmくらいのSLSなら、12万ポンド(1680万円)前後で買えます」

「理由は、多くのコレクターが究極のSLSを探しているから。例えば、ブラックシリーズなら価格は倍。ほとんど市場に出てこないファイナルエディションなら、40万ポンド(5600万円)になることもありますよ」

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