【空気充填が要らない次世代タイヤ】ブリヂストンが久留米市とともに『エアフリー』の実証実験中 乗り心地は想像以上

公開 : 2026.05.18 16:45

ブリヂストンは5月7~31日、福岡県久留米市の石橋文化センターにおいて、次世代タイヤ『エアフリー』の実証実験を行っています。期間中となる5月12日、メディア向け取材会に参加した篠原政明のレポートです。

『エアフリー』って、どんなタイヤ?

ブリヂストンは、5月7~31日、福岡県久留米市の石橋文化センターにおいて、次世代タイヤ『エアフリー』の実証実験を行っている。期間中の5月12日には、原口新五久留米市長やブリヂストンの田村亘之取締役代表執行役EAST CEOらが出席して、メディアに向けた取材会を開催した。

まずは、『エアフリー』の概要について紹介しておこう。

空気充填が要らない次世代タイヤ、エアフリーを装着したグリーンスローモビリティ。
空気充填が要らない次世代タイヤ、エアフリーを装着したグリーンスローモビリティ。    篠原政明

これは、その名が示すように『空気充填が要らない次世代タイヤ』だ。タイヤのボディにあたる部分は熱で溶かして再原料化できる青い樹脂素材、トレッド部分は張り替え可能なゴムの2ピース構造で作られており、サステナビリティに優れている。

また、タイヤに空気を入れないからパンクはしない。空気の追加注入や空気圧点検も不要だから、メンテナンスも簡単だ。ドライバーのいない自動運転の車両がパンクしたときのタイヤ交換といった問題に対して、『移動を止めない』ことも目指している。

しかも、見た目は硬そうに見えるが、強くてしなやかな素材と最適形状デザインで、衝撃を優しく吸収する。樹脂部分の青色は『エンパワーリングブルー』と呼ばれ、視認性が下がり交通事故が多く発生する夕暮れなどでも化学的にいちばん目立つ色とされており、ドライバーにも歩行者にも安心・安全な走行と歩行を助けてくれる。

コンセプトからビジネスモデルの探索・実証へ

ブリヂストンでは2008年から、このエアフリーの開発を独自に始めた。

まず第1世代は『安心・安全』をコンセプトに、200kg程度の車重で超低速で走る、1人乗りのスローモビリティ向けだった。

『エンパワーリングブルー』は、夕暮れなどでも化学的にいちばん目立つ色なのだという。
『エンパワーリングブルー』は、夕暮れなどでも化学的にいちばん目立つ色なのだという。    篠原政明

開発が進み、2013年に発表された第2世代では『乗り心地の向上』も目指し、500kg程度の車重で低速走行する、1人乗りのモビリティ向けとなった。

さらに開発を進めて、2023年に発表されたのが現在の第3世代で、車重1000kg程度、60km/h程度までの2~4人乗りの超小型EVに対応する。

第3世代の登場までは『エアフリー・コンセプト』として非公道での安心・安全を担保する実証実験だったが、現在は単に『エアフリー』としてビジネスモデルの探索と実証のフェーズに入っている。

『グリーンスローモビリティ』にエアフリーを装着し社会実装

そのため、第2世代までは社内や非公道でテストしていたが、第3世代では社員の軽自動車に装着して、本社のある小平市近郊で実証実験を行っている。また、2025年には富山市、2026年には杉並区、そして今回の久留米市と、20km/h未満で公道走行する電動車が小さな移動サービスを行う『グリーンスローモビリティ』にエアフリーを装着した社会実装も行っている。

高齢化・過疎化・労働力不足が進む地域社会では、安心安全な移動を止めず、すべての人が自分らしい毎日を歩める社会づくりを進めるため、環境省が推進するグリースローモビリティの採用を進めている。これらには、普通のタイヤよりも『メンテナンスフリー』で『サステナビリティ』があり、『安心・安全』な色のエアフリーが最適だ。こうして実際にエアフリーを使う領域における提供価値を検証することで、今後の事業化への探索を行っている。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。

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