ボルボV60 B4(1) 時代の終わり迫るステーションワゴン 北欧デザインにシンプルなマイルドHV

公開 : 2026.03.17 18:05

V60のB4はFFでシンプルなマイルドHV 共感覚えるスカンジナビアン・デザイン 期待ほど広くない荷室 最大の魅力は流暢な乗り心地 大得意な長距離巡航 UK編集部が8年目を迎えたワゴンへ試乗

前輪駆動のシンプルなパワートレイン

現行のボルボV60は、登場から8年も過ぎている。しかし、スウェーデン・ブランドを特徴付けてきたステーションワゴンは今、1つの時代の終わりを迎えようとしている。改めて、その魅力を確かめてみたいと思う。

英国では、V60の販売は2023年に1度終了していた。ところが根強い需要は存在し、ブランドを愛し続けてきたユーザーが乗り換えを考えた時、アウディフォルクスワーゲンなどへ流れざるを得なかった。それを受け、翌年に再び注文が可能になっている。

ボルボV60 B4 ウルトラ(英国仕様)
ボルボV60 B4 ウルトラ(英国仕様)

今回の試乗車は、196psと30.4kg-mを発揮するガソリン・マイルド・ハイブリッドのB4。プラグイン・ハイブリッド化が進む中で、前輪駆動のシンプルなパワートレインは希少といえ、ラインナップでは廉価版でも魅力度は高い。

フロントに載るのは、ボルボではお馴染みといえる2.0LのB420T5型4気筒ユニット。電圧48Vの駆動用バッテリーが載り、スターター・ジェネレーター(ISG)がエンジンをアシストする。トランスミッションは、7速デュアルクラッチだ。

好印象を与える動的な洗練度 上品なスタイリング

英国には四輪駆動のプラグインハイブリッド、T6とT8も導入されている。駆動用バッテリーは数年前のフェイスリフトで増量し、14.7kWh。最長80kmを電気だけで走れると主張される。こちらには、アイシン精機の8速ATが組み合わされる。

B4でもT8でも、4気筒エンジンは横置きされ、スポーティさではBMW 3シリーズに届かない。上質さでは、メルセデス・ベンツCクラスの方が勝るだろう。だが、動的な洗練度は非常に高く、好印象を与えるのがボルボらしい。

ボルボV60 B4 ウルトラ(英国仕様)
ボルボV60 B4 ウルトラ(英国仕様)

サスペンションは、前がダブルウィッシュボーン。後ろはマルチリンク式で、複合素材のリーフスプリングが横向きに組まれている。B4の車重は1730kgあり、前後の重量配分は55:45と前輪駆動としては悪くない。

スタイリングは、おおらかにカーブを描く上品なもの。T字状の「トールハンマー」ヘッドライトが、フロントマスクの表情を作る。トップグレードのウルトラには、マトリックスLEDヘッドライトが標準装備。アルミホイールは、19インチを履く。

少しクラシカルでも共感覚える北欧デザイン

インテリアは、北欧らしいデザインへ共感を覚える人が多いはず。反面、少しクラシカルに感じられることも否めない。タッチモニターは、2026年の基準では小さめといえ、物理スイッチのレイアウトも前時代的なことは事実だろう。

とはいえ、センターコンソール上のシフトセレクターは、流行に合わせて短くずんぐりした形状へ変更済み。縦に長いタッチモニターに後付け感はなく、上級モデルらしく美しくダッシュボードへ統合され、稼働するソフトウェアも最新バージョンとなる。

ボルボV60 B4 ウルトラ(英国仕様)
ボルボV60 B4 ウルトラ(英国仕様)

ダッシュボードは上面がフラットで、堂々とした印象。メーター用モニターにはしっかり庇が備わり、視認性が良い。加飾的な要素はなく、巧みに組み合わされた素材はいずれも上質で、造形は整っている。風合い豊かな、ウッドトリムも選べる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ボルボV60 B4の前後関係

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