クルマ漬けの毎日から

2026.03.15

テスラの大型高級EV「モデルS」の生産終了が決定しました。2012年に登場したモデルSは、いまのところ21世紀の最重要モデルともいわれています。クロプリー編集長の評価は?

テスラ・モデルS、クラシックカーの地位を確立できるか?【クロプリー編集長コラム】

もくじ

モデルS 生産終了へ

モデルS 生産終了へ

上手く付けられたニュースの見出し(タイトル)は、不思議と人の関心を高めるものだ。

最近たまたま、そういう見出しを見つけた。それはテスラが先駆的な「モデルS」の生産終了を決定したことの意味を浮き彫りにする見出しで、こう書かれていた。

テスラ・モデルS「21世紀最重要モデル」墓場へ

こういう見出しを見れば、モデルSの終了は確かに衝撃的に思える。だがそれでも、その記事に書かれていた「モデルSにはもっとふさわしい終わり方があったはず」という1文には、私は必ずしも賛同できない。

というのも、すでにモデルSのデビューから13年経過しており、これは最近の製品ライフサイクル(フルモデルチェンジの周期)の2倍に相当するからだ。

また、モデルSのあとに登場した他のテスラほうが、より優秀で価格も安い。とはいえ、常に未来志向のイーロン・マスクでさえも、モデルSの生産終了について「少し悲しい」とコメントした。

だが、続いて次のようにも発言している。「工業製品が生産を終えるのは、新たな商品に場所を譲るためなのです」と。

テスラ・モデルS(イギリス仕様)

ところで、1つ大きな疑問がある。テスラ・モデルSはクラシックカーになれるだろうか?

AUTOCARの姉妹誌『クラシック&スポーツカー』の同僚たちは、モデルSが「21世紀の最重要モデル」という評価には同意している。だが、クラシックカーとして地位を確立するには、長い年月が必要になるとみているし、そもそもそうなるとは限らない。

またモデルSは、ハイブリッドのトヨタ・プリウスの後方に位置づけられるべきだと、彼らはいう。プリウスのほうがより大きな意味を持つクルマとみているのだ。

ところで、「理想のモデルS」とはどういう1台だろうか?

永久無料でスーパーチャージャー(テスラ専用の充電ネットワーク)を使用できる権利を持つ2017年以前の希少なモデルSのうち、総走行距離の少ない個体であることはまちがいない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。

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