【交通革命?】電動キックボード ロンドンで試乗してみた結果 本当に便利な乗り物なのか

公開 : 2021.07.04 06:05

大都市ロンドンを走る

加速は適度に速く、モーターからは想像以上に高い音が出るが、それは好奇心旺盛な人々の注目を集めてライダーをかっこよく見せるためのものではない。クールかどうかは見る人による。

駐車場から出たばかりのDottは、早くもリッチモンド・ヒルに続く狭い脇道を登るという苦行に直面したが、元気に音を立てて進んでいった。坂の上の交通量の多い道路に入るころには、それなりの速度が出てきていた。

ロンドンバスに追い越されるシーン
ロンドンバスに追い越されるシーン

乗り心地はそこそこいい。道路の継ぎ目や側溝への落ち込みには無縁ではないが、12インチのタイヤは段差をよく吸収してくれる。

サイクリングスタイルで走行中に遭遇する問題としては、自動車のサイドミラーへの接触(高そうなポルシェが愚かにも近づいてきたことがあった)や、駐車しているクルマを避けて交通の流れに乗ることなどがある。

後者については、ハンドルバーの両端に取り付けられたウインカーが、昼間はほとんど見えないことが問題となる。さらに、自動キャンセル機能になれた自動車ドライバーにとっては、ウィンカーの消し忘れという恥ずかしい問題もつきまとう。このあたりはバイクとも少し似ている点かもしれない。

リッチモンド・ヒルにある電動キックボード用の駐車場に到着すると、別行動をしていた20代のジョージアとエドが戸惑いと焦りの表情を浮かべていた。

2人はブダペストでLimeをレンタルしたことがあり、電動キックボードの使用経験はあるものの、免許証のアップロードや自撮り写真の認証といった作業に手間取り、2台のTierのロックを解除するのに「30分」も格闘していたのだ。

ジョージアは「5点満点中2点だね」と言い、エドは「最悪だよ」と反論した。しかし、認証が終わると、彼らは晴れやかな表情で通りを走り去っていった。

走行禁止エリアも多数

ジョージアとエドがリッチモンドのダウンタウンに向かっている間、スティーブと記者の計画は頓挫していた。リッチモンド・パークで試乗したかったのだが、この公園では電動キックボードを禁止している。

「スクーターのスピードと静かさは、歩行者に受け入れがたいリスクをもたらし」、「緑地の平和と雰囲気を損なう」可能性があるからだ。

駐車車両を回避するには道路の中央に寄らなければならない。
駐車車両を回避するには道路の中央に寄らなければならない。

静かに走るものがどのように平和を損なうのかという疑問はさておき、公園がサイクリストと自動車で溢れない限り、電動キックボードの禁止は妥当だろう。

公園への入場は拒否され、わたし達は代わりに急勾配のスター・アンド・ガーター・ヒルを下った。

ロンドン交通局が設けた20km/hの速度制限を突破しそうになると、リミッターが作動し、クルーズコントロールと同じように減速した。

リッチモンドでは、速度はさらに20km/hの62.5%(12.5km/h)に制限されており、特に急いでいるわけでもないので、記者はしばしばキックボードを停めて自動車に追い越されるのを選んだ。狭い道路では渋滞を引き起こす可能性がある。また、追い越しのチャンスがあっても、20km/hの速度制限に阻まれてしまう。

電動キックボードが登場したからといって、道路がより調和的になるわけではないが、今回のテストでは、他の道路利用者がほぼ一様に配慮してくれたことは言うまでもない。しかし、まだ世間に浸透していないためか、ドライバーとの不愉快な交流が2度あった。

1つは、無作法な男が個人で電動キックボードを使用した場合の罰則を指して「6点減点!」と叫んだこと、もう1つはバスの運転手が誤ってわたし達に歩道を走れと主張したことだ。

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