見た目も機能も強烈! 特徴的なリアウィングを備えたクルマ 22選(後編) 1990~2020年代
公開 : 2025.12.01 12:05
スポーティな外観を引き立てるリアウィングですが、走行時の安定性向上など機能面でも重要な存在です。巨大なものから透明なものまで、今回は一度見たら忘れられない特徴的なリアウィングを備えたクルマを22台紹介します。
もくじ
ーメルセデス・ベンツ190E 2.5-16エボリューションII(1990年)
ーランチア・デルタHFインテグラーレ・エボ(1991年)
ートヨタ・スープラ(1993年)
ースバル・インプレッサ22B(1998年)
ーTVRサガリス(2003年)
ーダッジ・バイパーACR(2008年)
ーパガーニ・ゾンダR(2009年)
ーホンダ・シビック・タイプR(2015年)
ーマクラーレン・セナ(2017年)
ーポルシェ・パナメーラ・ターボ(2017年)
ーフォードGT(2017年)
ーメルセデス・AMG GTブラックシリーズ(2020年)
メルセデス・ベンツ190E 2.5-16エボリューションII(1990年)
メルセデス・ベンツは、BMW M3への対抗馬として190E 2.5-16エボリューションを投入した。しかし、その真価が発揮されたのは、1990年のエボリューションIIモデルであった。リアウィングの仕様がそれを如実に物語っている。
控えめなエボIのウィングとは異なり、エボIIはレーシングカーを思わせる巨大なウィングを備えている。さらに、リアウィンドウ直上に固定されたセカンダリースポイラーも特徴だ。

これらはメルセデス・ベンツの意気込みを示すものだが、同時に確かな科学的根拠に基づいて設計されたものでもある。設計者はドイツのシュトゥットガルト大学のリヒャルト・エップラー教授である。その効果は風洞実験で証明され、エボIIは抗力をCd値0.29まで低減しつつ、ダウンフォースを高めることに成功した。1990年のジュネーブ・モーターショーで正式発表される前に、502台すべてが売れたのも納得である。
ランチア・デルタHFインテグラーレ・エボ(1991年)
デルタ・インテグラーレが大成功を収めたことで、ランチアはスポーツカー市場と世界ラリー競技で確固たる地位を築いた。エボはさらに一歩進み、ラリー規定の範囲内で出力向上と攻撃的なボディワークを施され、テールゲート上に特徴的なウィングを装着することになった。
ホモロゲーション対応のため、生産された1万5000台のエボモデルにはすべて調整式リアウィングが装備されている。わずかに下がった状態から完全に突き出た状態まで、3段階の位置調整が可能だ。左右のブラケットにより、迅速かつ容易に角度変更を行うことができる。

トヨタ・スープラ(1993年)
4代目のA80型まで、トヨタ・スープラはどちらかと言えば地味なクーペだった。A80の流麗なデザインはそれまでのイメージを変え、さらにオプションのリアウィングでファンを驚かせた。小さなリップや折り目などではなく、大きく誇らしげなウィングによって、業界トップと対等に戦えることを世界に示したのだ。
先代モデルより100kg軽量化され、特にフルチューンの325ps仕様では最高速度約285km/hを達成。ウィングはこの速度域での安定性を確保するため装着されたが、今なお「スープラ」と聞いて多くの人が思い浮かべる代名詞となった。

スバル・インプレッサ22B(1998年)
数あるスバル・インプレッサのハイスペックモデルの中でも、22Bが際立つ理由は多い。その筆頭が、WRCマシンからそのまま取り外してきたような大胆なリアウィングだ。オーナーはウィング後縁の角度を手動で調整し、ダウンフォース量を自在に変えられた。
このウィングはWRCラリーカーの完全な複製ではなかったが、わずか24時間で完売した400台の22Bを熱望するファンにとって、それは問題ではなかった。スバルはさらに英国の愛好家向けに16台、オーストラリア向けに5台、そしてコリン・マクレー氏、ニッキー・グリスト氏、プロドライブのデイビッド・ラップワース氏のために「000」ナンバーの車両を3台生産した。それでもなお、このクルマの希少性は非常に高い。














































