見た目も機能も強烈! 特徴的なリアウィングを備えたクルマ 22選(前編) 1970~1980年代

公開 : 2025.12.01 11:45

スポーティな外観を引き立てるリアウィングですが、走行時の安定性向上など機能面でも重要な役割を果たします。巨大なものから透明なものまで、一度見たら忘れられない特徴的なリアウィングを備えたクルマを22台紹介します。

翼を授かったモンスターたち

クルマの空力性能を高めるエアロパーツには、ウィング、スポイラー、エアダムなど、さまざまな種類が存在する。その形状とサイズも、年代やモデルによって大きく異なる。

この特集では、インパクトの強い特徴的なリアウィングを備えたクルマを22台紹介する。その大半は性能向上のためにリアウィングを装着しているが、純粋にスタイルのためだけに採用したものもある。では、年代順に見ていこう。

一度見たら忘れないであろう、特徴的なリアウィングを備えたクルマを紹介する。
一度見たら忘れないであろう、特徴的なリアウィングを備えたクルマを紹介する。

プリムス・ロードランナー・スーパーバード(1970年)

ロードランナー・スーパーバードという名前からして、このプリムスがショッピングカートのようなクルマになるはずがない。

1960年代後半、NASCARレースでの覇権を争うため、ダッジフォード、マーキュリー、プリムスによって開発された「エアロ・ウォリアー」カーの1つとして誕生した。

プリムス・ロードランナー・スーパーバード(1970年)
プリムス・ロードランナー・スーパーバード(1970年)

プリムス・ロードランナー・スーパーバードは、出場資格を得るためのホモロゲーションモデルとして特別に設計された。さらに、レーシングドライバーのレジェンドであるリチャード・ペティ氏(1937年生まれ)をチームに引き入れるという目的もあった。

BMW 3.0 CSLバットモービル(1973年)

バットモービルは1970年代初頭のBMWが手掛けた最もエキゾチックなクルマだが、実は、その愛称の由来となったウィングを装着した状態で出荷された車両は1台もない。なぜかと言うと、大型リアウィングがドイツでは違法だったため、トランク内に収納してオーナー自身で取り付けられるようにしたのだ。

3.2Lのバットモービルはわずか39台しか生産されていない。いずれも欧州ツーリングカー選手権への参戦資格を得るためのホモロゲーションカーだった。リアウィングに加え、フロントフェンダー上部にフィン、リアウィンドウ上部にもスポイラーを備え、高速走行における安定性を高めている。

BMW 3.0 CSLバットモービル(1973年)
BMW 3.0 CSLバットモービル(1973年)

ポルシェ911(1974年)

911ターボ(コードネームは930)によって、ポルシェの「ホエールテール(クジラの尻尾)」は有名になった。しかし、この特徴的なウィングは、ターボ発売の1年前、1974年のカレラRS 3.0に初登場している。RSは高価なレース仕様モデルで、純粋に空力性能と冷却効率向上のためにホエールテールを採用した。

ターボにこのウィングが採用されると、特別な存在感を放つようになった。1980年代半ばには、より廉価な911モデルにも広く見られるようになったが、1978年の3.3Lターボでは形状が変更された。これはインタークーラーを収容するためで、出力は元の260psから300psに向上した。

ポルシェ911(1974年)
ポルシェ911(1974年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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