【ワンメイク・ラリーマシン】ボウラー・ディフェンダー・チャレンジレーサーへ試乗 後編

公開 : 2021.08.12 19:05

英国ボウラー社が仕上げた、新ディフェンダー90。ワイルドなワンメイクレース用ラリーマシンを、英国編集部が評価しました。

四輪駆動システムと8速ATはそのまま

text:Matt Prior(マット・プライヤー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
新しいランドローバーディフェンダーのボディは堅牢だが、ほとんどがアルミニウム製。スチールより柔らかい。ボウラー・ディフェンダーが内包するロールケージとボディとをつなぐプレートは大きくなり、溶接も難しくなる。

しかもロールケージは、シャシー構造の一部としても機能する必要があった。フォックス・モータースポーツ社製のリザーバータンク付きダンパーは、ロールケージに直接固定されている。

ボウラー・ディフェンダー・チャレンジレーサー(英国仕様)
ボウラー・ディフェンダー・チャレンジレーサー(英国仕様)

チャレンジレーサーを支えているのは、エアサスペンションではなく、コイルスプリング。車高は標準のディフェンダーから25mm持ち上げてある。一方でホイールはインチダウンされ、18インチを履く。試乗車より大径のタイヤを選ぶことも可能だという。

チャレンジレーサーは、可能な限り多くの人に手が届く価格で、維持しやすい内容となるようにチューニングを留めている。ドライバーがさらに過酷な荒野を目指したいなら、アップデートを加える準備も整っているそうだ。

このチャレンジレーサーでは、四輪駆動システムは通常のディフェンダーから変更を受けていない。電子制御のディファレンシャルは省かれるが、トランスミッションもトルクコンバーター式8速ATのまま。ボウラー社独自のパドルシフトが付くけれど。

それ以外の改良は、ラリー走行に備えた強化がメインとなる。破損の恐れがある、2基の小さなサイドラジエターは除去。フロントグリルの開口部を広げ、大きなラジエターが1基、中央にマウントされている。

エアコンを使える車内の美しいロールケージ

バンパーには強力なドライビングライトが埋め込まれた。ランドローバーは、後にボウラー・ブランドとしてアクセサリー・オプションに加えるかもしれない。

ルーフの後端には、リップスポイラーも追加されている。リアガラスに付着する砂埃の一部を防いでくれる。ナイトラリーでコースオフしても脱出しやすいように、強力なバックライトも付く。

ボウラー・ディフェンダー・チャレンジレーサー(英国仕様)
ボウラー・ディフェンダー・チャレンジレーサー(英国仕様)

ドアの下端は70mmほど切り取られた。通常は、乗り降りする際にサイドシルの汚れが衣服へ付かないよう、ドアがボディ下端まで伸びている。しかし、ラリー走行中は飛び石などでダメージをモロに受けてしまう。

そのかわり、厚さ6mmもあるアルミ製のサイドプレートがサイドシルを覆い、ボディを守ってくれている。ロールケージを避けて乗り込む際の、サイドステップにもなる。

ディフェンダー・チャレンジレーサーは、多くのモータースポーツ用マシンより乗降性が良い。新しいディフェンダーが、大柄だからだ。車内には、しっかりしたバケットシートが2脚備え付けてある。

ロールケージは肉厚だが、信じられないほど美しく仕上げてある。内張りは剥がされているが、ディフェンダーだと思い出させてくれる、スイッチ類などが一部残っている。エアコンも使える。

走り始めると、多くのラリーマシンより運転しやすいことに気づく。2014年に試乗した、以前のディフェンダー・チャレンジ用マシンもそうだった。コーナーを曲がれば、不安定さが軽減されていて、横転する可能性を明らかに感じにくい。

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