【ニーズを把握せよ】英国自動車工業会 EV商用車普及に政府支援を要請 「充電インフラが必要」

公開 : 2021.09.04 06:25

英国の業界団体は政府に対し、大型貨物車のゼロ・エミッション化のため、インフラ整備の支援を要請しました。

期限を切る前にやるべきことがある

SMMT(英国自動車工業会)は英国政府に対し、ゼロ・エミッションの大型貨物車(HGV)への移行を促進するため、現実的な計画を業界と協力して策定するよう要請した。ICE車の新車販売を禁止する期限を発表する前に、ニーズを正確に把握すべきだとしている。

SMMTによると、商用車の需要に対応できる充電・補給インフラを整備するためには、政府の支援が必要だという。また、ゼロ・エミッション車のメンテナンスのために技術者の育成(または再教育)を支援するよう政府に求めている。

英国政府は、エンジン搭載商用車の新車販売を2040年に禁止することを検討中。
英国政府は、エンジン搭載商用車の新車販売を2040年に禁止することを検討中。

政府は現在、ICE商用車の販売終了期限を2040年とすることを検討している。

欧州の各メーカーは、2040年までに化石燃料を使用しない車両を生産することに合意しているが、ゼロ・エミッション車への切り替えをサポートするためには、充電・補給ポイントの公共ネットワークが不可欠だ。

現在、代替燃料を使用しているHGVは全体のわずか0.2%に過ぎない。近年車種が拡大している電動の商用バンは、電動のHGVよりも人気が高く、新車バンの販売台数の2.6%を占めている。しかし、一般の電動乗用車の8.2%には及ばない。

欧州自動車工業会(ACEA)の試算によると、ゼロ・エミッションのHGVネットワークを構築するためには、約8200か所のHGV充電ポイントが必要とされている。2030年までにこの目標を達成するためには、毎日2か所の充電ポイントを新たに設置しなければならない。

水素は、さまざまな重量クラスの商用車に適した動力源として以前から注目されているが、現在英国で稼働している補給ステーションはわずか11か所しかない。

SMMTのチーフ、マイク・ホーズは次のように述べている。

「業界は脱化石燃料を目指していますが、すべての重量クラス、すべてのユースケースに対応する明確な技術パスはまだありません」

「業界に期限を設ける前に、政府は技術開発と市場提案を支援し、運搬業者が脱炭素化を遅らせないように、適切な枠組みを提供しなければなりません。禁止の前に計画を立てることが重要です」

問題は「誰がお金を払うのか」

余裕のある企業は、自社の充電ステーションを車両基地に設置している。これは、基地間を短い期間で往復するような車両には良い解決策だが、規模を拡大していくのは困難だ。

ホーズはさらに次のように述べている。

自動車工場を見学するボリス・ジョンソン首相
自動車工場を見学するボリス・ジョンソン首相

「脱炭素輸送への移行を難しくしているのは、『先行者』にデメリットがあるという点です。最初に参入した事業者が参入コストを100%負担することにならないよう、何らかの形でコストを分担する必要があります」

「政府はこの問題に注意を払っており、我々(SMMT)は自動車審議会を通じて、エネルギー供給会社や販売網と協力して、インフラの展開に向けてどこに障害があるかを特定しようとしています」

商用車に公共の充電インフラを提供するという点で、最大の「障害」となるのは「誰がコストを払うのか」ということだという。

ホーズは、「確かに利益にはなりますが、投資に対するリターンは短期的なものではありません」とした上で、「このインフラを整備することが重要です。なぜなら、インフラがなければ車両を乗り換える動機が得られず、悪循環に陥ってしまうからです」と語っている。

「全国的なインフラの整備は中長期的な投資であり、そのためには政府が介入してリスクを軽減する必要があります」として、政策立案者が介入しなければ、ゼロ・エミッションの期日を達成することは難しいと結論づけた。

「業界が感じているフラストレーションの1つは、期日が設定されているにもかかわらず、そこに到達するための戦略が設定されていないことです」

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