クラプトンの特注フェラーリからストラトスまで 麗しきリバイバル・モデル 10選(2) 市販化が否定されたミウラ GTは予定数に達せず

公開 : 2026.06.14 17:50

安全性や空力特性が追求され、見た目が収束方向にある近年のモデルたち。そんな中で、過去に未来を求めたリバイバル・モデルは少なくありません。UK編集部が、特徴的な10台をご紹介します。

MAT ニュー・ストラトス(2018年)

ランチア・ストラトスを誰より愛する、クリス・ラバレック氏。2005年のモーターショーへ向けて、彼が正式に車名のライセンスを取得してリバイバル・モデルを製作したことが、構想の引き金になった。

その一部の資金提供を担ったマイケル・ストシェク氏は、ピニンファリーナ社へアイデアを持ち込み、フェラーリ430 スクーデリアのエンジンを搭載した仕様の製作を依頼。2010年に量産化が発表されるものの、フェラーリ側はエンジン提供へ消極的だった。

MAT ニュー・ストラトス(2018年)
MAT ニュー・ストラトス(2018年)

その後、2014年創業のMAT社が顧客から持ち込まれたフェラーリをベースに仕上げ、ニュー・ストラトスは2018年にお披露目される。マラネロ由来のV8エンジンは547psを発揮し、0-100km/h加速3.3秒、最高速度273km/hの俊足を叶えていた。

マニアな小ネタ:マルチェロ・ガンディーニ氏は、2000年に自らオリジナルを再解釈した。それがストーラ581ストラトスで、HFゼロを想起させるオレンジ色で発表された。

BMW M1 オマージュ(2008年)

ジョルジェット・ジウジアーロ氏によるスタイリングで、1978年に登場したBMW初のスーパーカー、M1。その21世紀版はオリジナル・モデルに加えて、1972年にお披露目されたコンセプトカー、「ターボ」にも多大な影響を受けていた。

発表は2008年で、スタイリングを担当したのは、クリス・バングル氏とエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏の2名。「BMWのデザインチームの、想像力と可能性を示唆するものです。日常業務にも貴重な着想源となります」と後者は述べている。

BMW M1 オマージュ(2008年)
BMW M1 オマージュ(2008年)

リキッドオレンジの塗装は、ターボへちなんだもの。ただし、M1 オマージュはモックアップで、同時期のM5用V10エンジンは搭載されていなかった。果たして、このスタイリングはハイブリッド・スーパーカーのi8へ確かな影響を残している。

マニアな小ネタ:2015年には、3.0 CSL「バットモービル」のIMSAレースでの勝利と、BMWノースアメリカ設立の40周年を祝う、3.0 CSL オマージュRが作られている。

フォードGT(2004年)

2003年のフォード創業100周年に向けて、復活を遂げたのが往年の名車、GT40。デザイナーのカミロ・パルド氏が描き出したコンセプトカーは2002年にお披露目され、その後、2004年から4500台の量産が発表された。

1960年代にル・マンを戦ったオリジナルと同様に、開発にはキャロル・シェルビー氏も関与。シャシーとボディはアルミ製で、カーボンやマグネシウムも部分的に用いられた。5.4L V8スーパーチャージャーエンジンは558psを発揮し、329km/hに届いている。

フォードGT(2004年)
フォードGT(2004年)

開発を率いたジョン・コレッティ氏は、「フォードのデザイン力と技術力、クルマ作りに対する純粋な情熱を体現するショーケースです」と主張している。しかし、実際に提供されたのは4035台で、限定数には達していない。

マニアな小ネタ:フォードは「GT40」の商標権を所有しておらず、所有者との金額的な合意も得られず、「GT」となった。ちなみに、2代目GTも2016年に発表されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・デイビス

    Simon Davis

  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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