感動レベルのハンドリングマシン! アストン マーティン・ヴァンテージ『S』は見た目以上の進化【スーパーカー超王が斬る】

公開 : 2026.06.15 12:05

アストン マーティンから昨年、最新のSモデルが続々と誕生しました。ここではピュアスポーツカーとして支持されてきたヴァンテージに追加された『ヴァンテージS』について、スーパーカー超王こと山崎元裕がレポートします。

最初のSモデルは1953年のDB3 S

アストン マーティンが『S』の称号を初めて車名に掲げたのは1953年、『DB3 S』だった。

同社のレーシングスポーツカー、『DB3』のパフォーマンスをさらに高めるため、より軽量でコンパクトな設計のボディを採用。同時に搭載される2992ccの直列6気筒エンジンの最高出力を、吸排気バルブ径の拡大やカムシャフトのプロフィール変更などで182psにまで高めたモデルだった。

アストン マーティン・ヴァンテージに追加された『S』モデル。
アストン マーティン・ヴァンテージに追加された『S』モデル。    平井大介

そして1953年から1956年に30台製作されたDB3 Sは、240ps仕様へと最終的には進化を遂げることになるのだが、この搭載エンジンの高性能化にとどまらず、シャシーやボディに至るまで徹底した見直しを図るというSモデルのコンセプトは、現在に至るまで確実に継承され続けている。

そのアストン マーティンから昨年、『ヴァンテージS』、『DBX S』、そして『DB12 S』と、最新のSモデルが続々と誕生した。

今回はこの中から、アストン マーティンのピュアスポーツカーとして、これまでも多くのカスタマー、そしてファンから高く支持されてきたヴァンテージに追加された、ヴァンテージSについてレポートする。

エアロダイナミクス改善に大きく貢献

エクステリアのフィニッシュからスタンダードなヴァンテージと識別するのは、両車を同時に見比べてみる必要があるのかもしれない。

実際にはフロントのエアダムやボンネット、そしてワイドなリアのデッキスポイラーなどはSのために新たにデザインされたもの。それらはもちろん、ダウンフォース向上やエンジンの冷却効率を高めるなど、エアロダイナミクス改善に大きく貢献している。

デッキスポイラーは323km/hとされる最高速時には44kgの追加ダウンフォースを生む。
デッキスポイラーは323km/hとされる最高速時には44kgの追加ダウンフォースを生む。    平井大介

ちなみにデッキスポイラーは323km/hとされる最高速時には44kgの追加ダウンフォースを生み、この時の総ダウンフォース量は111kgに達する。

ほかにSモデルであることを主張するのは、フロントフェンダーに備わる、レッドのエナメルガラスが充填されたハンドメイドの真鍮鍛造製Sバッジ、そして専用の21インチ径Yスポークホイールがある程度だ。

スタンダードモデルに対して15psのエクストラ

フロントに搭載されるエンジンは、アストン マーティンとの間で技術提携が結ばれて久しい、メルセデスAMGから供給される3982ccのV型8気筒DOHC32バルブツインターボ。最高出力と最大トルクは680ps、800Nmというスペックで、これは最高出力ではスタンダードモデルに対して15psのエクストラを得た計算になる。

他にもドライブバイワイヤのスロットルマップも見直され、サスペンションもビルシュタイン製DTXアダプティブダンパーをSモデル用に再セッティングするなど、幅広い改良が施された。

メルセデスAMG製3982ccのV8ツインターボは最高出力680ps、最大トルク800Nmというスペック。
メルセデスAMG製3982ccのV8ツインターボは最高出力680ps、最大トルク800Nmというスペック。    平井大介

果たしてそんなヴァンテージ Sは、どのような走りを披露してくれるのだろうか。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王(超王)」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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