【NA V10有終の美】ランボルギーニ・ウラカンSTOへ公道試乗 50kg以上ダイエット 後編

公開 : 2021.09.12 08:25

全身で感じるスリリングさは最高峰

加えて、見事な調整を受けたアクセルレスポンスと、漸進的に生み出される太いトルクが融合。コーナーの出口では、テールを好きな角度へスライドさせ、満足感に浸ることも許してくれる。その自在さ加減は、フェラーリ488ピスタにも遠くない。

ウラカン・エボが採用する可変式のステアリングレシオではなく、一貫性ある固定レシオを採用している点も訴求力を高めている1つ。トロフェオ・モードを選択すると、通常のウラカンでは味わえない、肉厚な手応えも得られる。

ランボルギーニ・ウラカンSTO(英国仕様)
ランボルギーニ・ウラカンSTO(英国仕様)

ポルシェ911 GT3ほど、コミュニケーション力が長けているわけではない。しかし、グリップ状態は手のひらへ正確に伝わってくる。

カーボン・ブレーキは、間違いなくポルシェに匹敵する水準。軽量化されたことで、担う重さも減っている。制動力は強力で、効きの調整もしやすく感じた。

ドライバーのスキルが確かで、多くの注目を集めることに抵抗がなければ、ウラカンSTOは一般道でも素晴らしい体験を味わわせてくれる。その魅力はランボルギーニ最後となる、素晴らしい自然吸気V型10気筒エンジンだけにあるわけではない。

911 GT3の方が、フィードバックは濃く、より磨き込まれた操縦性を備える。488ピスタの方が、絶対的なスピードでは速いだろう。しかし、全身で感じ取ることができるスリリングさでいえば、ウラカンSTOも最高峰だと断言できる。

素晴らしいウラカンの最後に相応しい

ウラカンSTOの公道での走りは、想像以上にマナーの良いものだった。ラップタイムを削るために軽量化され、高速域でのダウンフォースを高められているという事実を、すぐに忘れてしまうほど。

それでいて、スーパー・トロフェオ・オモロガータという名にも恥じない、高次元のパフォーマンスも備えている。

このランボルギーニ・ウラカンSTOは、限定モデルではなく、基本的にはモデル終了までの量産モデル。フェラーリ488ピスタより、多い台数が路上に姿を表すかもしれない。今年の割り当て分は、すでに締め切られているかもしれないが。

ウラカンの有終の美を飾る、重要な意味を持つSTO。素晴らしいウラカンの最後に相応しいモデルだと、断言したい。

ランボルギーニ・ウラカンSTO(英国仕様)のスペック

英国価格:26万12ポンド(3952万円)
全長:4549mm
全幅:1945mm
全高:1220mm
最高速度:310km/h
0-100km/h加速:3.0秒
燃費:6.0km/L
CO2排出量:331g/km
乾燥重量:1339kg
パワートレイン:V型10気筒5204cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:640ps/8000rpm
最大トルク:57.4kg-m/6500rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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