【燃えるような酷暑で】ブガッティ・チェントディエチ 高温耐久テスト完了 10億円超のハイパーカー

公開 : 2021.10.20 06:05

10台限定のハイパーカー、ブガッティ・チェントディエチが北米の過酷な環境下でさまざまなテストを実施。

街中や砂漠での耐久テスト

ブガッティ・チェントディエチは、来年から始まる納車に向けて、開発プログラムの高温気象テストを完了した。

ブガッティEB110にインスパイアされた740万ポンド(約11億円)のチェントディエチは、電子部品や燃料系統、エアコンシステムなどを27人のエンジニアチームがチェックしながら、摂氏50度近い「極端」な温度にさらされた。

ブガッティ・チェントディエチ
ブガッティ・チェントディエチ

カリフォルニアを出発したチームは、セントラル・パシフィック・ハイウェイを通り、サンディエゴを経由してアリゾナへと向かった。その後、標高2800mのレモン山を「高速」で登るテストを実施。

また、「低速走行やスタート&ストップの多い交通環境」や、エアコンを全開にしたまま太陽の下に静止状態でさらすほか、閉鎖された道路で318km/hで走行するなど、さまざまなシチュエーションを想定したテストが行われた。

今回のチェントディエチのテストには、3台のシロン・ピュアスポーツと4台のシロン・スーパースポーツが同行した。

ブガッティの車両開発部門のエンジニアであるステファン・シュミットは、「高温かつ乾燥した砂漠でのテストは、開発プロセスにおいて大きな助けとなります」と説明する。

「ブガッティの全モデルは、数少ないチェントディエチを含めて、どんなに気温が高くても完璧に機能しなければなりません。たとえチェントディエチのように10台しか作らないとしても、テストの手順は同様に過酷なものです」

猛暑でも信頼性を確保

ブガッティ・チェントディエチはわずか10台の限定生産モデル。シロンをベースに開発され、クワッドターボの8.0L W16エンジンを搭載し、最高出力1600ps、0-100km/h加速2.4秒という性能を発揮する。ただし、シロンの最高速度が420km/hに達するのに対し、チェントディエチは380km/hに制限されている。

ブガッティのテクニカル・プロジェクト・マネージャーであるアンドレ・クリグは、次のように述べている。

ブガッティ・チェントディエチ
ブガッティ・チェントディエチ

「チェントディエチは、新開発のボディワーク、空気の流れの変化、ガラス製のエンジンベイカバーなどにより、特に摂氏45度を超えるような極端な暑さの中では、温度の挙動が大きく異なります」

「この高温耐久テストはわたし達にとって基本的なものです。チェントディエチはブガッティのすべてのモデルと同様に、猛暑の中でも完璧で信頼できる安全なドライブを提供する唯一の方法なのです。お客さまは、自分のクルマをそのような極端な条件にさらすことはないでしょうが」

「今回のテストでは、チェントディエチ用の既存のセットアップが、猛暑の中でも何時間も最適に機能することが証明されました」

今後、チェントディエチは欧州での最終シェイクダウンに進み、ブガッティは高速テストと耐久テストで30万kmを走破することを期待している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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