【エブリイの車中泊】バンではなく、ワゴンで作った、ポップな軽キャンピングカー

公開 : 2021.10.26 20:25

スズキ・エブリイ・ワゴンの軽キャンを撮影。レザーとウッドをスタイリッシュに配し、実用性も追い求めた新モデル。詳しく見てみましょう。

モッズファクトリーの新モデル「660ベース・ワゴン」

ツールとして使い込めるバン・ベースの軽キャンをチョイスするべきか、装備が整って快適なワゴン・ベースの軽キャンをチョイスするべきか。

一般的にバンは荷物を載せる商用車、ワゴンは人を乗せるためのクルマというイメージ。それでも、車内に家具が架装される軽キャンパーの世界では、両方とも独自の魅力を確立しており、どちらをチョイスしても楽しめる。

スズキ・エブリイ(バン)ではなく、エブリイ・ワゴンをベースにした「660ベース・ワゴン」。ボディサイズは、全長3395×全幅1475×全高1910mm。展示車両は、PZターボ・ハイルーフがベースで4WD仕様。
スズキエブリイ(バン)ではなく、エブリイ・ワゴンをベースにした「660ベース・ワゴン」。ボディサイズは、全長3395×全幅1475×全高1910mm。展示車両は、PZターボ・ハイルーフがベースで4WD仕様。

神奈川県大和市にあるMOD’S FACTORY(モッズファクトリー)では、キャンピングカーの型にとらわれず軽キャンの楽しさをとことん探究した「660ベース・バン」「660ベース・ワゴン」などをラインナップし、ユーザーに多彩な軽キャンライフを提案している。

その中から今回注目したのは、「660ベース・ワゴン(660 BASE WAGON)」だ。

蛇足ながら説明しておくと、660 BASE(ロクロクマル・ベース)の660は軽自動車の排気量である660ccを表しており、BASEは基地のこと。

660ベース・ワゴンは、本取材時に初お披露目となったニューカマーで、兄弟車である660ベース・バンのコンセプト「使いやすさを追求したレイアウト」を継承。

それでいながら、ベース車となる「エブリイ・ワゴン」の特長の1つである2列目シートがしっかりリクライニングすることや、左右独立のスライド機構を活かしたキャビネット・デザインを採用した。

つまり、普段使い時の4人乗りとしてはもちろん、2列目の片側シートをスライドさせて足元のスペースを広げたり、荷室を優先したレイアウトも可能なのだ。

レザーとウッドの質感がいい、内装の詳細

注目のベッドは、軽キャンパーとして、車中泊、釣り、山登り、テレワークを楽しむ&実践できるよう設計された6分割マットを採用。

エブリイ・バンとは異なる2列目のアレンジ性を活かしつつ、ラゲッジスペースもフル活用できる。

6分割マットを利用するベッドは、写真のように片側だけで1880mm×595mmというサイズ。車体後部の両側に展開すると、1880×1190mmに広がり、就寝定員は2名に。
6分割マットを利用するベッドは、写真のように片側だけで1880mm×595mmというサイズ。車体後部の両側に展開すると、1880×1190mmに広がり、就寝定員は2名に。    AUTOCAR JAPAN編集部

例えば、自転車、ペットのケージ、キャンプ道具などを積みたいときには、後席片側だけベッドとして展開すれば、あっという間に縦長のフリースペースと、長さ1880mmのベッドが両立。写真はベンチシート状にしたところだ。

ちなみに、畳んだ後席を覆うベッドマットを取り除けば、簡単に2列目シートを元に戻せる。そのマットの表皮は、汚れが付いてもサッと拭けるレザー生地なので、安心して使用できるだろう(生地は選択可能)。

じつはすべての家具やラゲッジボックスの素材は、傷に強い高硬度素材を採用しており、とにかく気兼ねなく使えるのだ。

またフロアには、丈夫で汚れにも強い縞板柄のクッションマットが敷かれている点もポイントとなる。

室内照明は、すべて独立してON/OFF可能なスイッチ機能を装備。

天井中央のボードに、自然光のように室内を照らしてくれるウォームカラーの暖色系LEDライトを採用しているが、これは3段階で調光できるタッチダウンライトで、好みの明るさで車内を照らすことができる。

また、左右上部のボードにはLEDの間接照明を備え、こちらも自然な光でやさしく照らしてくれる。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」

関連テーマ

おすすめ記事