世界の高回転エンジン 17選 搭載車種を写真で紹介 歴史に残る名車たち

公開 : 2021.12.17 06:05

マツダRX-8 – 9500rpm

ロータリーエンジンは、シリンダーの中でピストンが上下するのではなく、中央のシャフトの周りを三角形のローターが回転する仕組みになっているため、高回転に適している。マツダは、RX-8やRX-7に代表されるロータリーエンジンを長年にわたって独自に開発してきた。過去にマツダをル・マン優勝に導いたという輝かしい経歴もある。

RX-8に搭載されている235psの1.3Lロータリーエンジンは、2つのチャンバーが同じセンターシャフトを共有しているツインローターデザインだ。このデザインは、RX-8が9500rpmのレブリミットに向かって加速しているときの独特のエンジン音にもつながっている。また、トルクは約22kg-mと細いため、しっかり走らせるには回転を上げる必要がある。

マツダRX-8 - 9500rpm
マツダRX-8 – 9500rpm

アリエル・アトムV8 – 1万600rpm

アリエル・アトムV8が有する数字はどれもぶっ飛んでいる。最高出力507ps、重量550kg、静止状態から97km/hまでの加速にかかる時間はわずか2.3秒だ。また、停止状態から160km/hまでの加速は、ブガッティ・ヴェイロンよりも速い。中でも特に目を見張るのは、レブリミット1万600rpmのエンジンだ。

スズキの二輪車「ハヤブサ」の4気筒エンジンを2基、クランクシャフトを共通化して開発された3.0Lのユニットである。ピークトルクは7750rpmで発揮。また、わずかにおとなしいモデルを選択した場合、レブリミットは100rpm低い1万500rpmに設定されている。

アリエル・アトムV8 - 1万600rpm
アリエル・アトムV8 – 1万600rpm

ゴードン・マレーT50 – 1万2100rpm

ゴードン・マレーは中途半端な妥協を許さないため、スーパーカーのT50を製作する際には、自然吸気のV12エンジンを搭載する必要があった。コスワース・エンジニアリング社が設計した3.9LのV12は、1990年代のF1エンジンのようなサウンドと回転数を誇り、最高回転数は1万2100rpmに達する。

最高出力は660psで、多くのハイパーカーに比べると控えめに見えるが、軽量であることが助けとなっている。また、ダウンフォースを得るために、マレーがF1で提唱した「ファンカー」のアイデアを採用している点も見逃せない。

ゴードン・マレーT50 - 1万2100rpm
ゴードン・マレーT50 – 1万2100rpm

クライスラー・ターバイン – 4万4600rpm

1960年代初頭は、航空機の進歩により「ジェット・エイジ」と呼ばれており、米国ではクルマのスタイリングにもその影響が現れていた。その中でただ1台、ジェット機の技術を全面的に受け入れたのが、クライスラー・ターバインというクルマだった。ガスタービンエンジンのテスト車両として55台のみが製造され、10台が廃棄処分を免れたという。

タービンエンジンの出力は130psと控えめだが、最大トルクは58kg-mもあり、中型の2ドア・セダンをそれなりに走らせるには十分だった。しかし、残念ながらクライスラーはこのプロジェクトに信頼を寄せず、タービンエンジンが真価を発揮する前に頓挫してしまった。

クライスラー・ターバイン - 4万4600rpm
クライスラー・ターバイン – 4万4600rpm

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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