ホンチーE-HS9へ試乗 中国の高級電動SUVが欧州へ デザイナーは元RR在籍者

公開 : 2022.01.09 08:25

中国のロールス・ロイスと評されるホンチー。欧州でのデリバリーが始まった大型SUVを英国編集部が評価しました。

ロールス・ロイスのデザイナーを招聘

中国共産党の上層部が乗る、リムジンなどを主に手掛けてきたホンチー(紅旗)。国有自動車メーカーの中国第一汽車(FAW)傘下にあるブランドで、その名前も由来を示している。1958年に設立され、中国版ロールス・ロイスと評されることもある。

自動車の普及が進む中国だが、L5をはじめとするLシリーズ・リムジンは、今もまだ特別階級向け。市民向きのモデルとなるのが、Hシリーズだ。デザインはドイツ御三家やジャガーに似ているモデルも多いが、2020年には20万台の販売台数を記録したという。

ホンチーE-HS9 フラッグチャン・エディション(中国仕様)
ホンチーE-HS9 フラッグチャン・エディション(中国仕様)

2018年、FAW社はカリナンなどを手掛けたロールス・ロイスのデザイナー、ジャイルズ・テイラー氏を招聘。デザイン・ディレクターとして、新しいホンチーのスタイリングを任せることにした。

テイラーが着任してから最初の量産モデルとなるのが、今回ご紹介する純EVのE-HS9。その写真に、カリナンの面影を感じるという読者もいらっしゃるだろう。

欧州上陸も進行中で、すでにノルウェーでは販売がスタートしている。今後、販売拠点は欧州各地に広がる予定だという。日本でも、大阪にエクスペリエンス・センターをオープンしている。

E-HS9の全長は5209mm、全幅は2010mmと巨大。フロントグリルだけでも、相当な存在感がある。スタイリングはやや従来的なもので、純EVであることを匂わせる部分も少ない。

素材は期待値以下でも豪華な見た目の車内

そんな大柄なSUVへ近づいてみると、小さな仕掛けがあった。Cピラーのクロームメッキ部分にLEDが内蔵してあり、充電状態を示すインジケーターとして機能するという。

ボタン式のドアハンドルを押して車内へ乗り込む。インテリアは、造形的には豪奢に見えるが、素材の質感は期待ほどではないようだ。キルティング加工されたレザーが印象的ながら、部分的に合成皮革も用いられている。

ホンチーE-HS9 フラッグチャン・エディション(中国仕様)
ホンチーE-HS9 フラッグチャン・エディション(中国仕様)

センターコンソールのソフトパッドも、クッション材の厚みが薄い。ウッドパネルもフェイク素材に見えた。

とはいえ、パワーシートの座り心地はとても良い。ヒーターだけでなくベンチレーションやマッサージ機能も内蔵されている。これらの操作は、ダッシュボード前面を占拠する大きなタッチモニターで行う。エアコンと同様に。

ドライバー側には、メーター用モニターが内蔵されている。ステアリングホイールのボタンやスクロール・ダイヤルを介して、表示情報やドライブモードの変更ができる。

ダッシュボード中央のモニターは、インフォテインメント用。インターフェイスは文字が中心の構成で、中国語表記のため筆者には難しかった。助手席側のモニターは、個別のエンターテイメント用だ。

ドアパネルのポケットなどには、間接照明があしらわれている。だが、もう少し細部まで気を配っても良いだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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