スズキ初のEVは全てが初めて eビターラに携わる人々が語る「手探り」 生真面目にじっくりと
公開 : 2026.02.17 11:45
スズキは『eビターラ』の日本導入を開始しました。同社初のEVとなり、全ての面において手探り状態。デビューが迫る軽EVの地ならしといった側面もあるようです。エンジニアや関係者のコメントを内田俊一がまとめます。
ユーザー目線で本当に必要かどうかを吟味
スズキは、小型BEV『eビターラ』の日本導入を開始した。いくつかのポイントについてエンジニアや関係者に話を聞く機会があったので、それぞれでまとめてみたい。
まず話を伺ったのは『IDS』(インテグレーテッド・ディスプレイ・システム)と呼ばれる、スズキ初のデジタルコクピットの開発を担当した、四輪電気電子技術本部四輪電子システム開発部コネクテッド・マルチメディア開発課の内海純彦さん。

現在販売されているスズキ車のほとんどのカラーディスプレイやヘッドアップディスプレイを担当し、eビターラに関しても先行開発時代から手がけていたという。内海さんが一番やりたかったことは、ディスプレイ内の表示整理だった。
「いまスズキは4.2インチや7インチディスプレイが多いのですが、警告灯がいっぱいでそれ以外を表示するエリアがないんです。今回はディスプレイが大きくなり、さらに警告表示やそれ以外の要望がたくさん来てしまい……」
と苦笑する。そこで、ユーザーの目線で本当にそれらの表示が必要かどうかを吟味するとともに、『デザインしろ(デザインする場所)』をしっかりと確保することから始めた。
「警告灯が多いとデザインしろがなくなり、意匠性を持たせられず魅力的な商品ではなくなってしまうんです。やはり乗った時に『かっこいいね』と思ってもらいたいので」
そのうえで、設定関係にもこだわった。
「スマホでも、設定は難しいし面倒くさいですよね。何の設定をしているのか分からなくなって使わないというものもあります。そこで、例えばADASの設定をするときに、アニメーションでこういう機能だとわかるようにしました。これは特許も取得しています」
まずはどういう機能かをアニメーションで認識し、必要に応じて使ってほしいという思いがあるのだ。
BEVだからこそ素直なプラットフォーム設計
続いては、アンダーボディまわりと電池パックについて。
四輪プラットフォーム設計部BEVアンダーボディ設計課課長の城村裕康さんは、「トヨタ、ダイハツ、スズキの3社協業で開発し、特にトヨタの各ユニット搭載方法やパワートレイン制御関係などを学びました。そのうえでスズキとして、『小さいクルマで安く、軽く』を追求していきました」と語る。

特にバッテリーなどで重くなりエネルギーが大きくなるため、『マルチロードパス構造』を取り入れ、そのエネルギーを衝突時などにきちんと吸収しきるようにした。また、フロントまわりでは短いオーバーハングにも関わらず高張力鋼板を採用。これは通常の鋼板よりも薄くしてもエネルギーは吸収できるもので、軽さにもつながった。
しかし成型が難しく、剛性は落ちるので、板厚をいちから見直して構造も最適化。ブレースなども使って剛性を高めた。また、BEVなのでフィラーネックがなくなることから、リアサイドメンバーを真っ直ぐに通すことができ、それはフロンサイドメンバーも同様となる。
「このように素直な線が引けたことで、剛性確保と衝撃吸収を両立出来ました」と城村さんは話す。
バッテリーデザイングループの岩崎(崎は立さき)貴司さんのよると、同様にBYDから共有されるバッテリーパックも、衝突性能も含めて『これぐらいの剛性を持たせたい』という目標を立て、開発してもらったという。それをもとにサイドフレームなどを作り上げ、バッテリーパックも車体剛性の一助とする方式をとった。







































































