ミニ・コンバーチブル(最終) 長期テスト 夏を完璧に過ごせるクーパーS

公開 : 2022.01.09 09:45

登場から7年が経過し、アップデートされたミニ・コンバーチブル。従来どおりの楽しさなのか、英国編集部が確かめます。

積算7805km 爽快なオープンドライブ

年末年始は忙しい。2020年に巻き起こったパンデミックの終焉を、2021年にみんなで祝うことができなかったという、残念な気持ちも拭えない。

だが筆者の場合、憂鬱な気分は夏を境に少し上向きになった。開放的なソフトトップと活発なパフォーマンスを備えた、ミニ・クーパーS コンバーチブルの長期テスト担当者に選ばれたからだ。

ミニ・クーパーS コンバーチブル・エクスクルーシブ DCT(英国仕様)
ミニ・クーパーS コンバーチブル・エクスクルーシブ DCT(英国仕様)

このミニがやって来た時、どれだけ夏が楽しいものになるのか確かめようと考えていた。2021年の英国の夏は期待ほど天候に恵まれなかったものの、それでも充分に魅力を理解することはできた。

長期テストで、一番のハイライトは友人を訪ねる目的で英国中心部に位置するピーク・ディストリクト国立公園を走った時。落ちてくる雨がやみ、灰色の空が青く変わることを期待しつつ、ロンドンからミニ・コンバーチブルで北上した。

実際、その走りは爽快だった。雨は降ったりやんだりだったものの、ソフトトップはできるだけ開いた状態を保った。

秋が来て肌寒くなっても、シートヒーターとエアコンを全開にすれば、オープンでも耐えられることを発見。週末のジム通いや犬の散歩など、日常的にも可能な限りオープンで走ってきた。

ドライバーへの訴求力が高いクーパーS

明るいゼスティ・イエローのボディカラーということもあって、ミニは意外と多くの人の視線を集めた。少し派手すぎるかもしれないが、筆者は気にしない。少なくとも、見る人を笑顔にはしてくれる。

ポップなミニ・コンバーチブルだから、ドライバーも優しいと思ってもらえるのだろう。人生で初めて、ヒッチハイカーを乗せることにもなった。

ミニ・クーパーS コンバーチブル・エクスクルーシブ DCT(英国仕様)
ミニ・クーパーS コンバーチブル・エクスクルーシブ DCT(英国仕様)

英国では600ポンド(約9万円)のオプションとなる、ハーマン・カードン社製のステレオは、ドライブを充実したものにしてくれた。近隣の住民へは、フィル・コリンズを必要以上に聞かせてしまったかもしれないが。

天候に関係なく、コンバーチブルは運転が楽しいと思える。さらにこのミニはクーパーSだから、よりドライバーへの訴求力を高めてある。

ステアリングはしっかりした感触が心地よく、反応は正確。フロントノーズが積極的にクルマの向きを変えていき、とても機敏に感じられる。コーナーを飛ばせば、勢いよく頂点めがけて食らいつく。

交通量の多い市街地の道でも、機敏な身のこなしは有効。マツダMX-5(ロードスター)ほど、操縦の自由度はないかもしれないが、これでも構わない。

エンジンはBMW製の2.0L 4気筒ターボガソリン。最高出力178psと、充分なエネルギーを生み出してくれる。トランスミッションは、筆者はATよりMTの方が好みではある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    クリス・カルマー

    Kris Culmer

    役職:主任副編集長
    AUTOCARのオンラインおよび印刷版で公開されるすべての記事の編集と事実確認を担当している。自動車業界に関する報道の経験は8年以上になる。ニュースやレビューも頻繁に寄稿しており、専門分野はモータースポーツ。F1ドライバーへの取材経験もある。また、歴史に強い関心を持ち、1895年まで遡る AUTOCAR誌 のアーカイブの管理も担当している。これまで運転した中で最高のクルマは、BMW M2。その他、スバルBRZ、トヨタGR86、マツダMX-5など、パワーに頼りすぎない軽量車も好き。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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