なぜ? ガソリンスタンドにカフェ併設が増えてるワケ ドトール/エネオスを観察してみた

公開 : 2022.06.21 05:45

カフェ併設のガソリンスタンドが増えています。相乗効果や客層など、ドトール/エネオスを取材しました。

出店場所を求めて

給油や洗車をしようとガソリンスタンドを訪れると、カフェが併設されていることがあります。

たとえばエネオスのエネジェット店に展開するドトールコーヒーショップです。

給油や洗車をしようとガソリンスタンドを訪れると、カフェが併設されていることがある。
給油や洗車をしようとガソリンスタンドを訪れると、カフェが併設されていることがある。    鈴木ケンイチ

なぜ、ガソリンスタンドにカフェを併設しているのでしょうか?

それぞれ異なる業態どうしのコラボ。まず、最初にドトールコーヒーの担当者にガソリンスタンドへの出店の経緯を尋ねてみました。

「ドトールコーヒーがガソリンスタンドでカフェを展開するようになったのは1999年のこと。もう20年以上の歴史があります」

「第1号店は、神奈川県相模原市にある相模原イースト店です」

「当時、ドトールコーヒーショップは全国に出店を進めているところで、新たな場所を探していました。一方で、ガソリンスタンド側もセルフスタンドが増えていた時期で、集客の1つになるということでわれわれを歓迎していただけました」

「お互いにニーズがマッチしたんですね」とドトールコーヒーの担当者さんは説明します。

ちなみに現在のガソリンスタンド併設店舗は全国で82店。全国のドトールコーヒーショップは約1000店ですから、全体の8%程度になります。

そんなガソリンスタンドのドトールコーヒーショップは、どのような方が利用しているのでしょうか。

「セルフ」に相乗効果?

「ガソリンスタンドには、『給油に訪れる方』、『ドトールだけを利用する方』、『給油とドトールの両方を利用する方』の3種類があります」とドトールコーヒーの担当者。

「当然、給油だけという方よりも、トータルでの来客は多くなります。ちなみに、ドトールコーヒーショップには特徴があります。それは『セルフカフェ』だということ」

セルフカフェとガソリンスタンドは相性が良いのではないかと筆者
セルフカフェとガソリンスタンドは相性が良いのではないかと筆者    ドトールコーヒー

「セルフカフェ」とは何か?

街中にあるドトールコーヒーショップを思い出してみれば「セルフカフェ」をイメージしやすいでしょう。

1人でさっと立ち寄ってコーヒーを飲んでゆくスタイルです。

1人でふらりと立ち寄るというのは、ガソリンスタンドも同じ。

そういう意味で、セルフカフェとガソリンスタンドは相性が良いのではないでしょうか。

さらに近年は、新しい試みもあるといいます。

人の集う場所を目指す

「ただ、近年、新しい試みがあります。それが『ドトールキッチン』です。街中のセルフカフェではなく、郊外で人が集まるお店です」

ガソリンスタンドにカフェを併設しつつ、これまでの店とは異なるスタイルだというのです。

ドトールキッチンはファミリー層やシニア世代、ママ友やサークルの集いなど、グループがターゲット
ドトールキッチンはファミリー層やシニア世代、ママ友やサークルの集いなど、グループがターゲット    ドトールコーヒー

「近隣住民の集いの場となるように、『フレンドリーな、ぬくもりパーク』をコンセプトにしています」

「内装は公園をイメージしたグリーンを多用。ファミリー層やシニア世代、ママ友やサークルの集い、グループの利用を想定しています」

「3年前くらいから作られていて、今年は本格的に展開したいと思います。具体的には、全国20店舗を目指しています」

2019年に1号店の「ドトールキッチン」が群馬県館林に出店。

その後も出店が続いており、現在のところ全国に12店舗がオープンしているとか。

そこで、実際に新形態の「ドトールキッチン」はどんな雰囲気なのか、東京郊外のとあるお店を覗いてみました。

訪ねたのは町田市のとあるガソリンスタンドにある「ドトールキッチン」。

ガソリンスタンドは、セルフ式で洗車機もあり、駐車スペースも10台ほどもあります。郊外型ということで、なかなかの広さです。

立地は、ちょっと駅から遠くて、周りは山を切り開いたような住宅エリア。

古い商店街は見えません。緑色の看板のある店内も広くて、ざっと数えて50ほどの席があります。

ただし、ファミレスのように固定された席は、ごく一部で、移動式の小さなテーブルと椅子が並びます。

街中にあるセルフカフェを大きくしたような雰囲気です。

実際にどんな人が訪れているのでしょうか?

店舗をのぞいてみました。

記事に関わった人々

  • 執筆

    鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。

おすすめ記事

 

自動車ニュースの人気画像