盗難マツダRX-7(FD)、バラバラでオーナーに返還 外国人経営中古車販売店付近で立て続けに 発見時の状況は?

公開 : 2022.07.11 05:45  更新 : 2023.03.31 09:34

バラバラFD 発見時の状況は?

発見された時のことを記しておこう。

話してくれたのは白いFDオーナーの長年の友人で盗難直後から一緒に探していた仲間の1人(Mさん)である。

スリランカ人経営の中古車販売店「ライオントレーディング」の敷地内で見つかったシルバーのFD。
スリランカ人経営の中古車販売店「ライオントレーディング」の敷地内で見つかったシルバーのFD。

Mさんはトラックの中から発見されたシルバーのFDオーナーの友人とも仲が良く、シルバーのFDを探している時に、GPSによって場所が特定された際、「もしかしたらこの近くに白いFDも一緒にあるのでは?」と考えて外から探していたところ、偶然発見されたという。

「発見された場所は小屋のような納屋? のような場所でした」

「探していたオーナー自らも一緒に確認しています。20年連れ添って走行距離も17万km。エンジンもオーバーホールして手を掛けて、大切に乗り続けてきたクルマだったんですよ」

その大切なFDがバラバラにされた状態で発見された。オーナーの悲しみは想像を絶する。

Mさんは続ける。

「おそらくですが、バラバラにされた白いFDが盗まれたのが4月30日~5月1日ですから、ほぼ無傷で発見されたシルバーのFDよりも1~2日早いわけです」

「だから、発見された時にすでに解体されていたのでしょう。そこに、シルバーのFDが入っていたトラックが後で入って来た……。そんなところでしょうね」

「想像ですが、白いFDを盗みに行った帰りにたまたまシルバーのFDを見つけたのかもしれません。そして、『あそこにもあるから、また盗みに行こうぜ』と次の日の夜に盗みに行った可能性が高いと思われます」

「FDの盗難が急増していますが、今回、同時期に3台が盗まれており、3台の場所は比較的近いです。同じ窃盗団によるものと思われます。FD専門に盗みを働き、輸出しているやからがいるんでしょう」

警察はどう動いていた?

シルバーのFDがトラックの中から発見された時点で、バラバラになった白いFDも警察は認識していた。

窃盗団の関係者が現場から白いFDのパーツをどこかに移動したり隠したりしないよう、「現場保存」の目的で警察の24時間監視が始まった。

バラバラの状態で発見されたFD(RX-7)。境警察署内で撮影。
バラバラの状態で発見されたFD(RX-7)。境警察署内で撮影。

Mさんはその時も現場に足を運んでいる。

「捜索差押許可状を取得して敷地内で捜査をおこなえるようになるまで、監視していたのだと思います」

「門を塞ぐような形で茨城県警のパトカーが停まっており、証拠物件である2台のFDが持ち出されたりしないよう、夜中もずっと監視していましたよ」

「盗難された2台のFDが発見された場所は外国人が経営する中古車販売店です」

「会社名は複数あり、外国人労働者の人材派遣から中古車販売や外国への輸出などいろいろな事業をやっているようです」

「今回の盗難に関しては、『うちは知らない。関係ない。トラックを持ち込んだことに関係していると思われる人も行方が分かっていない』など、『関係ない』を貫いているようですが……。2台ともここで発見されているのですから無関係ではないと思われますが……」

警察によると、「捜査中」の一点張りで詳しいことはもちろん何も教えてはくれない。

昨今は外国人窃盗団による自動車盗が増えており、自動車盗難に関わるニュースを見ていると、日本人もメンバーに入っていることもあるが首謀者は外国籍であることが多い。そしてその国籍も興味深い。

警察白書「来日外国人犯罪の国籍・地域別検挙状況」の「自動車盗」のデータを見てみると、上位は例年、同じ国が占めていることがわかる。

2019年:1位ブラジル、2位スリランカ、3位ロシア
2020年:1位スリランカ、2位ルワンダ、3位ブラジル、4位ウガンダ
2021年:1位ウガンダ、2位ブラジル、3位ベトナム、4位スリランカ

なお、「来日外国人」とは入管法上の在留資格をもってわが国に在留する外国人のうち、永住者、永住者の配偶者など、および特別永住者を除いた者という定義になる。

今回、盗難された2台のFDが見つかった会社はスリランカ国籍の経営者が経営している。

盗難との関係は否定しているが、少なくともその会社の敷地内に盗難されたFD 2台が持ち込まれたことはたしかだ。

1台は解体までされているのだから警察はもっとしっかりと捜査をするべきではないだろうか?

外国人だから、旧車だから、大規模盗難ではないから……そんな理由でどうか見逃さないで欲しい。

なお、バラバラにされた白いFDのオーナーは「ここまでバラバラにされても必ず復活させる!」と、ロータリー車の専門店でFD復活の作業を開始している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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