北米専用マツダCX-50試乗 乗り味で感じる「アメリカ」 CX-5の兄貴分の出来栄えは? 

公開 : 2022.07.10 18:25

北米専用モデル「マツダCX-50」に試乗。ロー&ワイドなスタイリングや「アメリカ」を感じる乗り味を解説します。

そうだ、CX-50に乗りに行こう

そうだ、北米専用車に乗りに行こう。

2年ほど事実上不可能に近い状態だった海外渡航も以前のように戻りつつあるいま、ひさびさにアメリカ・ロサンゼルスへ出かけることにした。

北米専用車のマツダCX-50。売れっ子「CX-5」に代わる存在となることが期待されているという。
北米専用車のマツダCX-50。売れっ子「CX-5」に代わる存在となることが期待されているという。

目的はマツダ「CX-50」を試乗するためだ。

CX-50は北米向けに開発された現地仕様車で、日本での販売予定はなし。乗るには、北米に行かなければならない。

日本でなじみのない車種なので基本情報をお伝えしておくと、車体構造は「スモールアーキテクチャー」に属する。

つまり「マツダ3」や「CX-30」と血縁関係が深い。

日本からの輸出ではなく、トヨタとの合弁事業としてアラバマ州に新たに立ち上げた工場の「トヨタマツダマニファクチャリングUSA」にて生産がおこなわれるのもトピックだ。

ちなみにトヨタはそこで北米向けの「カローラ・クロス」を製造している。

CX-50の製造は今年1月から始まり、一般へのリリースが始まったのはこの4月から。

6月までの累計販売台数は4787台とまだ少ないが、これは工場が本格稼働にペースになっていないからだ。

つい先日、7月1日にトヨタの豊田彰男社長とマツダの丸本明社長も出席して「開所式」がおこなわれたのを皮切りに、これまで日勤のみだったのが、夜勤もおこなわれる体制となり生産ペースがグッと上がるはず。

いま、マツダが北米でもっとも販売しているモデルはCX-5(なんとマツダ車販売の2台に1台ほど)だが、CX-50はそれに代わる存在となることが期待されている、マツダにとっても重要なモデルなのだ。

「CX-3とCX-30の関係」に似てる?

これはカッコいい!

初対面となるCX-50を前に、素直にそう思った。

マツダCX-50の全幅は1920mm。ロー&ワイドなプロポーションは絶妙と筆者。
マツダCX-50の全幅は1920mm。ロー&ワイドなプロポーションは絶妙と筆者。

カッコいい理由はいかにもアメリカで好まれそうなワイルドなデザインがまずあるが、それだけじゃない。

前方から見たときのSUVとは思えないロー&ワイドなプロポーションそのものに、普通のSUVには見られない安定感が感じられるのだ。

縦横比を間違えているんじゃないかと思えるほどSUVらしからぬ平べったさがあるプロポーションの理由は全幅と全高。

全幅は1920mmとCX-5に対して75mmもワイドかつ約6cm低い全高が織りなすバランスがカッコよさを作り出している。

単に低いとか、単にワイドなだけだったらこうはいかないだろう。バランスである。

そのうえで、フェンダーの張り出しがグラマラス。

何を隠そう室内幅はCX-30とほぼ変わらず、極端すぎるほどのフェンダーの張り出しがワイドさをつくっているのだ。

余裕ある全幅だから可能とした、このフェンダーもまたCX-50の魅力あふれるスタイリングの要因そのものだ。

そんな車体サイズ(全長も4719mmと対CX-5比で144mm長い)からもわかるように、CX-50のポジショニングはCX-5より少し上。

イメージとしてはCX-3とCX-30の関係だ。

CX-30もCX-50も、数字2桁モデルはCX-3やCX-5など1桁モデルの兄貴分なのだ。

車体に関しては「せっかくだからもっと大きくすれば」と思う人もいるかもしないが、実はこのサイズも綿密に計算されたもの。

今後は北米市場でCX-70(日本でもつい先日詳細が明らかになったCX-60の幅広版)の投入が予定されていて、CX-50はそれとの上下関係をしっかりキープしたサイズなのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    工藤貴宏

    Takahiro Kudo

    1976年生まれ。保育園に入る頃にはクルマが好きで、小学生で自動車雑誌を読み始める。大学の時のアルバイトをきっかけに自動車雑誌編集者となり、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。はじめて買ったクルマはS13型のシルビア、もちろんターボでMT。妻に内緒でスポーツカーを購入する前科2犯。やっぱりバレてそのたびに反省するものの、反省が長く続かないのが悩み。

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