中国初? アウトドア向けEVブランド「レーダー」登場 電動SUVやトラックに特化

公開 : 2022.07.14 18:05

中国の自動車大手ジーリーは、新しいEVブランド「レーダー・オート」を立ち上げました。ピックアップトラックやSUVに注力する電動アウトドア・ライフスタイルブランドとされています。

ジーリーが新ブランド発表 デビュー作も公開

中国の自動車大手ジーリー(吉利汽車)は、新たにEV専用ブランド「レーダー・オート(RADER AUTO)」を立ち上げた。その最初のモデルとして、電動ピックアップトラックを公開している。

この新ブランドでは、ピックアップトラックをはじめとして、SUVやATV(バギーなどの全地形対応車)など幅広いEVモデルを展開していくという。

レーダー・オートRD6
レーダー・オートRD6    レーダー・オート

デビュー作となる「RD6」は、ロータスエレトレポールスター4、スマート#1など、兄弟ブランドの新モデルと共通のプラットフォーム「サステイナブル・エクスペリエンス・アーキテクチャ(SEA)」を採用する予定だ。パワートレインの詳細や航続距離はまだ公開されていない。

RD6は内燃機関がないためフロントトランクを装備し、外部充電ポートを備えた荷台も備えている。しかし、それ以上の詳細は不明だ。

アウトドアへの関心の高まりに着目

RD6のデザインを手がけたのは、ロータスのクリエイティブチーフであるピーター・ホーブリーだ。レーダーブランドの他のデザインも指揮するホーブリーは、次のように述べている。

「レーダーの製品ラインナップは、電動ピックアップトラックとSUVに焦点を当てています。機能性や使いやすさと、美しいフォルムをミックスさせることに挑戦していきます。わたし達の目標は、ユーザーが視野を広げ、持続可能な方法で自然を探検できるようにすることです」

レーダー・オートRD6
レーダー・オートRD6    レーダー・オート

中国初の電動アウトドア・ライフスタイルブランドを標榜するレーダーは、当面の間、中国市場のみで量産車を販売する意向を示している。親会社のジーリーは、同じ中国ブランドのジーカー(Zeekr)を欧米に導入することを計画しており、将来的にはレーダーも国外に展開する可能性がある。

レーダーは、中国の浙江省杭州市に研究開発施設を置き、山東省シ博市にEV生産施設を完備してRD6を生産する。納車は、今年末に開始される予定だ。

レーダーのブランドCEOであるLing Shi Quanは、以前はジーリー傘下のLynk & Coを率いていた人物だ。同氏は次のようにコメントしている。

「この新しい市場セグメントを理解し、ユーザーに特化した新しいブランドを設立することは、わたしのこれまでのキャリアの中でもハイライトと言えるでしょう」

「レーダー・オートは、ユーザーがより持続可能な方法で世界を探検できるようにすることを目標としています」

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事