1960年代風の特別仕立て ミニ・クーパーS レゾリュート・エディションへ試乗 運転体験を濃い味に

公開 : 2022.07.30 08:25

クーパーSと同じエンジンで楽しい走り

エンジンなどのメカニズムは、ノーマルのクーパーSと同様。最高出力178psを発揮する、1.5Lの3気筒エンジンが載っている。0-100km/h加速は8.3秒でこなす。

動力性能は、数字だけで比べるとフォルクスワーゲン・ポロGTIに劣る。だが実際に運転してみると、クーパーS以上のパワフルさは必要ないな、と感じた。

ミニ 5ドア・ハッチバック・クーパーS レゾリュート・エディション(英国仕様)
ミニ 5ドア・ハッチバック・クーパーS レゾリュート・エディション(英国仕様)

理由は、ミニのドライビング体験が個性的だから。フロントアクスルは、ホットハッチフォードフィエスタSTなどより主張が強い。アクセルペダルを踏み込むと、パワーで操舵感に影響が出るトルクステアが生じ、ステアリングホイールが勝手に回ろうとする。

フィエスタST並みに、ドライバー付近を軸に旋回する感覚はないものの、アクセルペダルの操作でコーナリングラインを調整できる。思い切りカーブを攻め込むと、リアタイヤの内側が浮き上がろうとする。

機敏で小気味いい。ミニがバッテリーEVになっても、この個性は受け継がれて欲しい。

乗り心地は褒めにくい。舗装の不備を逐一ドライバーへ教えるように、細かな揺れが続く。もっと穏やかでも良いと思うが、ゴーカート・フィーリングを高める1つでもある。

一般的に、価格の張る特別仕様車へ筆者は懐疑的ではある。だが、レゾリュート・エディションの仕上がりは素晴らしい。ベースとなっている、クーパーSの走りは楽しい。正直にいって、否定することが難しい。

ミニ 5ドア・ハッチバック・クーパーS レゾリュート・エディション(英国仕様)のスペック

英国価格:2万5601ポンド(約427万円)
全長:4023mm
全幅:1727mm
全高:1425mm
最高速度:234km/h
0-100km/h加速:8.3秒
燃費:15.2-17.0km/L
CO2排出量:136-141g/km
車両重量:1280kg
パワートレイン:直列3気筒1499ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:178ps/4750-5500rpm
最大トルク:31.7kg-m/1350-4200rpm
ギアボックス:6速マニュアル

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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