ランドローバー・ディスカバリーSE D300試乗 ロングドライブで分かった「本質」

公開 : 2022.08.12 05:45

ランドローバー・ディスカバリーSE D300に再び試乗。ロングドライブで再認識したネコ足3列の魅力を紹介します。

何度でも指名したくなるワケ

インプレッションのためのクルマの試乗時間はまちまちだ。

だがスポーツカーで街中を流していても得られる情報が少ないように、一概に長く乗ればいいというわけでもない。

ランドローバー・ディスカバリーSE D300
ランドローバー・ディスカバリーSE D300    宮澤佳久

一方、ロングドライブに出ることで、スペックからはうかがい知ることができない本質的な良さが見えてくるクルマもある。

今回少し遠出をする用事があったのでじっくりと試乗してみたいクルマについて思い浮かべてみた。

大人4人がゆったりと乗れて、荷物もそれなりに載せる予定がある。高速道路だけではなく峠越えするようなルートもあるので、ドライブするのが楽しいという部分は譲れない。

その結論として「またしても」ランドローバー・ディスカバリーに乗りたいと思った。

現行のディスカバリーは2022年モデルでマイナーチェンジされており後期型となっており、その詳細については2022年2月15日に公開している試乗記で記している。

だがそれ以外にも2度ほど、僕はこのクルマに乗ったことがある。レンジローバーほど肩ひじ張っていなくて、イヴォークより走りも室内もゆったりとしている。

ロングドライブとなればディスカバリーのようなカジュアルなモデルが魅力的に思えるのは当然なのかもしれない。

ディーゼル直6 MHEVのD300ユニットとロングドライブの相性もいい。

燃料代が安く省燃費性能が優れているだけでなく、常用する回転域が低いこともあり驚くほど静かという点でもストレスがないのである。

ランドローバーなのにネコ足?

朝焼けが残る都心を後にして高速道路で北上する。

試乗では敢えてオーディオのスイッチをオフにして走らせることもある。

ランドローバー・ディスカバリーSE D300
ランドローバー・ディスカバリーSE D300    宮澤佳久

車内には微かなロードノイズが響くだけで、「ディーゼル」は見事なまでに気配を消している。

8速オートマティックとD300ユニットのマッチングがすばらしく、普通に走らせていると2000rpmをこえることはまずない。

それでいてスピードの伸びもいいので、スロットルをグンっと踏み込むようなシーンはまずない。

またストップ&ゴーの瞬間こそ微かなディーゼルノックが混じるが、それでもディーゼルエンジンの泣き所ともいえるアイドリングストップからの復帰は驚くほど静か。

MHEVに含まれるスタータージェネレーターがエンジンを静かに起こしてくれるのだ。

そんなストレスフリーなパワーユニットと同じくらい、ディスカバリーはハンドリングも秀逸だ。

コーナーであまり外輪が踏ん張っている感じもなく、ロールも少な目。背高ボディからは想像できないほどハンドリングが軽快なのだ。

まるでジャガーのような(?)現代のランドローバーが「ネコ足」を備えていたとしても何の不思議もないのである。

「素直なハンドリング」というのは味も素っ気もないというのとは違う。

ドライバーの思いを確実に走りに反映してくれる。つまり意のまま。

だからハンドリングの部分でもディスカバリーSE D300はストレスなく感じられるのだと再認識させられた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。

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