8年目でも訴求力高し ランドローバー・ディスカバリーへ試乗 頼もしい6気筒ディーゼル

公開 : 2025.04.03 19:05

ディフェンダーとレンジローバーの影になり気味な、現行のディスカバリー 特徴を継承しつつモダンな柔らかい面構成 発進時からたくましい6気筒ディーゼル 落ち着いた乗り心地 英編集部が評価

ディフェンダーレンジローバーの影になり気味

生まれ変わったランドローバー・ディフェンダーと、定評のレンジローバーの間に挟まれ、ディスカバリーの存在感に陰りが出ていることは否めない。現行の5代目は、既に登場から8年目を迎えることも影響しているだろう。

しかし、優れた動的能力と7シーターの実用性、設えの良い内装など、上級ファミリーSUVとして以前からAUTOCARでは高く評価してきた。このカテゴリーには、BMW X5ボルボXC90など実力派は多いが、改めてその完成度を確認してみたいと思う。

ランドローバー・ディスカバリー・メトロポリタン・エディション(英国仕様)
ランドローバー・ディスカバリー・メトロポリタン・エディション(英国仕様)

現在のディスカバリーに搭載されるエンジンは、3.0L 直6ディーゼルターボのマイルド・ハイブリッドのみ。最高出力は、350psと不足ない。

英国価格は、6万2690ポンド(約1222万円)から。ベースグレードはSで、20インチ・アルミホイールにLEDヘッドライト、14ウェイ・パワーシート、レザー内装など、装備は充分に整っている。

ダイナミックSEへグレードアップすると、21インチ・ホイールやメリディアン社製サウンドシステムを獲得。ダイナミックHSEでは22インチになり、更に上質なレザー内装に、マトリックスLEDヘッドライトなどを得る。

この上に、試乗車でもあったメトロポリタン・エディションがある。内装は更に上等になり、サンルーフやヘッドアップ・ディスプレイなどが盛り込まれ、英国価格は7万8020ポンド(約1521万円)へ上昇する。

特徴を継承しつつモダンな柔らかい面構成

スタイリングは、先代までの流れを汲んだもの。とはいえ、従来のボクシーなシルエットからは決別。特徴は継承するものの、モダンな柔らかい面構成で成り立っている。リアのナンバープレートが左側へオフセットするのは、好き嫌いがわかれそうだ。

2021年にフェイスリフトを受け、クロームメッキで上品に飾られ、雰囲気はレンジローバーへ1歩近づいた。同時に、新しいエアサスペンションやステアリングを獲得。オンロードでのマナーも磨いている。

ランドローバー・ディスカバリー・メトロポリタン・エディション(英国仕様)
ランドローバー・ディスカバリー・メトロポリタン・エディション(英国仕様)

従来どおり、車高調整やデフロックを活用すれば、ライバルを凌駕する悪路性能を披露。オフロード用のドライブモードといえる、テレインレスポンス2も実装する。渡河水深は、900mmまでとなる。

アルミニウム製モノコックは、 L494型の先代、レンジローバー・スポーツと共有。大幅な軽量化も果たしている。

インテリアは、実用性と高級感を巧みに融合。ステアリングホイールやシート、シフトノブなどに、豪華な素材が用いられる。とはいえ、センターコンソールなどの一部は例外。クラス最高とまではいえないだろう。

ダッシュボード中央には、11.4インチのタッチモニター。インフォテインメント・システムはピヴィプロで、反応には僅かなラグがあるものの、アップル・カープレイとアンドロイド・オートはシームレスに機能する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    役職:常勤ライター
    AUTOCARに加わる以前は、クルマからボート、さらにはトラックまで、EVのあらゆる側面をカバーする姉妹誌で働いていた。現在はAUTOCARのライターとして、トップ10ランキングや定番コンテンツの更新、試乗記や中古車レビューの執筆を担当している。最新の電動モビリティ、クラシックカー、モータースポーツなど、守備範囲は広い。これまで運転した中で最高のクルマは、1990年式のローバー・ミニ・クーパーRSP。何よりも音が最高。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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