「グランドツアラー」ってなんだ? GTを名乗るクルマ 28選 名前負けしたモデルも

公開 : 2022.08.21 06:05

市販車に「GT」という名称が使われるようになったのは1950年代。今でもさまざまなモデルにGTの名が与えられていますが、ふさわしいかどうかはまちまちです。今回はグランドツアラーを名乗る名車・珍車を紹介します。

アルファ・ロメオとGMCの共通点とは?

イタリアのアルファ・メオと米国のGMCは、対極に位置するような自動車ブランドだが、両社とも「GT」という名称を使ったクルマを販売しているのだ。一般的に、GTというイニシャル(または派生の名称)はスポーティなモデルを表現する言葉として、多くの自動車メーカーで使われてきた。

しかし、実際のモデルがその名にふさわしい出来かどうかは、まちまちである。「これぞGT」と膝を打つようなものもあれば、「どこがGTなんだ」と思わず首を傾げるものもある。

トヨタ2000GT
トヨタ2000GT

今回は、ランチアのグランドツアラーからクライスラーのPTクルーザーまで、良くも悪くもGTのエンブレムが装着されたクルマを紹介する。

GTの意味は?

GTとは、イタリア語で「グランドツーリング」を意味する「Gran Turismo」の頭文字をとったものであることは、クルマ好きの間では広く知られている。もともとは、長距離の自動車旅行に十分な室内空間と快適性を備えた高性能車を指す言葉である。

そのため、本来はサーキットとは対極にあるものだが、やがてレースにも使われるようになり、GT3やGT2など「GTクラス」用に設計されたレーシングカーを表すこともある。しかし、すべての会社が、こうした定義を忠実に守っているわけではない……。

ランボルギーニ400GT
ランボルギーニ400GT

ランチア・アウレリアB20 GT(1951年)

GTのエンブレムが初めて市販車に採用されたのは、ランチアが1951年に発表したアウレリアB20 GTだった。4ドアのアウレリアB10をベースに、なめらかなルーフラインとスポーティなインテリアを持つ2ドアモデルである。

4ドアのアウレリアは、1950年代初頭に1991cc のV6エンジンを搭載したクルマとして注目を集めた。ピニンファリーナが手がけたB20 GTは、エンジンを改良して最高出力75psにパワーアップ。そのスポーティなイメージにふさわしいものとなった。

ランチア・アウレリアB20 GT
ランチア・アウレリアB20 GT

ランチアはその後、フルヴィア・ベルリーナのGTEから、初代デルタの高性能モデルまで、さまざまな車種にGTの名前を使用した。

フェラーリ250 GTクーペ(1954年)

フェラーリとピニンファリーナなどのコーチビルダーは、250の派生モデルを十数種類も製造した。1954年のパリ・モーターショーで発表された250 GTは、フェラーリが「普通のドライバー」を対象に、初めて本格的な量販を狙ったモデルである。

GTという名称は、オーナーがイタリア横断のロングドライブを快適に楽しめるグランドツーリングカーを率直に示していた。

1959年のフェラーリ250 GTクーペ
1959年のフェラーリ250 GTクーペ

フェラーリの歴史に残る名車の多くには、「G」と「T」の文字が使われている。250 GTO、ディーノ206 GT、365 GTB/4などが思い浮かぶ。現在では、812 GTSと296 GTB/GTSがその襷をつないでいる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

関連テーマ

おすすめ記事

 

トヨタの人気画像