ボルボXC40アルティメットB4 AWD試乗 軽快ドライブフィール BEV一歩手前のベストチョイス

公開 : 2022.10.09 05:45  更新 : 2023.01.19 21:14

ボルボXC40アルティメイトB4 AWD試乗。軽快なドライブフィールは、「BEV一歩手前のベストチョイス」と筆者は表現します。

初のフェイスリフト ラインナップも変化

ボルボXC40シリーズはMY23で初のフェイスリフトを受け、ラインナップが刷新されている。

MY20ですでに全車モーターを搭載し電動化されていたXC40シリーズ。

ボルボXC40アルティメイトB4 AWDは、以前のB4 AWDインスクリプションとまったく同じではなく、2L 4気筒エンジンがミラーサイクル化されているという。
ボルボXC40アルティメイトB4 AWDは、以前のB4 AWDインスクリプションとまったく同じではなく、2L 4気筒エンジンがミラーサイクル化されているという。    山本佳吾

今回の改変でPHEVのB5が落とされ、同じガソリン4気筒MHEVながらB4とは最高出力が異なるB3が加わっている。

そして先頃、BEV版のXC40リチャージも上陸を果たしている。

ラインナップを整理すると、ガソリンエンジンのMHEVはFWDのB3とAWDのB4。一方BEVはFWDのシングルモーターとAWDのツインモーターという全4モデルで構成されることになる。

また今回はトリムレベル(グレード)の呼び名もひととおり変更されている。

XC40の場合はこれまでのベース、モメンタム、インスクリプションから、新たにプラス、プラスプロ、アルティメイトという名称に変わっているのだ。

今回試乗したXC40はアルティメイトB4 AWD。というと内容は以前のB4 AWDインスクリプションと内容的には一緒と思いきや、2L 4気筒エンジンがミラーサイクル化されているという。

これに関連して新型のターボやオイルポンプが採用され、さらにトランスミッションは以前の8段ATから7段DCTに変わっている。

2030年にBEV専業メーカーとなることを目指しているボルボなので、内燃機に関してはもう開発を終えていると思っていたのだが、既存の内燃機のブラッシュアップにも余念がなかったのである。

室内の変更点 気になったところも……

今回のXC40のフェイスリフトでは外観にも少しだけ手が加えられている。

正面から見ると四角くかったヘッドランプが三角形に近い形状に変わり、これにあわせてフロントバンパーも斜めのラインが強調されたものに変更されている。

ボルボXC40アルティメイトB4 AWDのインテリア。インフォテインメントはすべてグーグルオートモーティブサービスに変更された。
ボルボXC40アルティメイトB4 AWDのインテリア。インフォテインメントはすべてグーグルオートモーティブサービスに変更された。    山本佳吾

それでもクルマ全体の印象はこれまでと大きく変わっていないし、デビューから5年が経ったとはいえXC40のスタイリングに古さは少しも感じられない。

運転席に座り室内の変更点を確認する。

ボルボのインフォテインメントはすべてグーグルオートモーティブサービスに変更されており、センターモニター内の表示も以前よりシンプルになっている。

もちろんグーグルアシスタンスの音声コントロールを使って目的地を設定したりオーディオや空調を操ることも可能。

今回は音声ではなくタッチパネルで操作してみたのだが、慣れていないためスムーズにはいかなかった。

オーナーならば音声コントロールに慣れた方がいいかもしれない。

試乗車は最上級グレードのアルティメイトだったのでシートは本革が使用されていたのだが、素材自体が硬めだしクルマの雰囲気にもあっていないように感じた。

XC40にはプラスプロに採用されているテキスタイルコンビネーションのシートが相応しいと思う。

また前席の空間はたっぷりとしているのだが、後席は見た目の印象ほどには広くないという点も気を付けるべきポイントだと思う。

4~5人乗りで長距離ドライブを多くこなすのであればXC60の方が相応しいと思う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。

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