悪党も真っ青? 世界のカッコいいパトカー特集 86選 中編 珍車に名車、迷車まで

公開 : 2022.10.22 18:25

50:オーラス・セナート・ガードセダン(ロシア)

ソ連時代、ロシアの指導者たちはZILの巨大なリムジンで移動していた。残念ながらZILは2012年を最後に自動車製造を終了。現在のロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、近年、地政学的なライバルであるドイツ製のメルセデス・ベンツで移動するという不名誉に直面した。

救いの手を差し伸べたのは、モスクワに本拠を置くNAMIで、2018年のプーチンの就任式に新型リムジン「セナート」を初披露している。セナートにはショートホイールベースのモデルもあり、大統領の移動時にはボディガードを乗せているようだ。だが、プーチンはドイツ勢から逃れることはできない。どちらのモデルも、ポルシェのV8を改造した4.4Lエンジンを搭載しているのだ。

50:オーラス・セナート・ガードセダン(ロシア)
50:オーラス・セナート・ガードセダン(ロシア)

49:ローバーP6 3500 S(英国)

ローバーP6には2.0Lまたは2.2Lの4気筒モデルがあるが、3.5L V8モデル、特に3500 SのMT車は、高速道路でも楽に走れる高性能車だった。通常はホワイトにペイントされていたが、やがてジルコンブルーの奇抜な車両が登場する。

これは、1973年から1987年まで、英国王室やマーガレット・サッチャー首相(当時)などのVIPを乗せたクルマである。トランクの大部分は高出力無線機で占められていた。

49:ローバーP6 3500 S(英国)
49:ローバーP6 3500 S(英国)

48:ランボルギーニウラカン(イタリア)

イタリアの交通警察は、2台のランボルギーニ・ガヤルドを所有していたことで知られているが、そのうちの1台は追跡任務中に大破してしまった。この失敗にもめげず、カラビニエリは残ったガヤルドをウラカンと交換。ノーズにある冷蔵室は、緊急の臓器提供用の臓器を運ぶために使用している。

そして、このウラカンが実際にドナー患者の臓器を運び、イタリア北部のパトヴァという都市からローマまでの約500kmの道のりを、たったの2時間程度で走破してしまったという話はよく知られている。

48:ランボルギーニ・ウラカン(イタリア)
48:ランボルギーニ・ウラカン(イタリア)

47:ダッジ・チャージャー(カナダ)

北米の警察は、悪役っぽいクライスラー300を好んで使用したが、その兄弟車であるダッジ・チャージャーも大人気だった。そのため、ダッジは警察仕様の特別モデルを製作し、後に「パシュート」と命名した。現行モデルは3.6L V6、最高出力296ps、全輪駆動となっている。

写真の個体は、米国のFBIに相当するカナダ騎馬警察で使用されている。

47:ダッジ・チャージャー(カナダ)
47:ダッジ・チャージャー(カナダ)

46:フォードマスタング・スペシャル・サービス・パッケージ(米国)

マスタング・スペシャル・サービス・パッケージ(頭文字をとってSSP)は、フォードの警察車両として最もよく知られた1台。高出力の5.0L V8を搭載し、1/4マイル加速で15.5秒を記録。

当時の広告によると「ポルシェを追いかける」のに役立ったという(写真)。ラック・アンド・ピニオンステアリング、パワーディスクブレーキ、強力なスタビライザーバーにより、911を視界に捉え続けることができた。

46:フォード・マスタング・スペシャル・サービス・パッケージ(米国)
46:フォード・マスタング・スペシャル・サービス・パッケージ(米国)

過酷な運用試験の後、1982年にカリフォルニア・ハイウェイパトロールが、耐用年数18か月の特別装備マスタングを400台導入した。フォードは1993年までマスタングSSPを生産している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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