オールシーズンタイヤの今 進化を続けるドライ/ウェット性能 新・旧ベクター4シーズンズを比較

公開 : 2022.12.29 21:15  更新 : 2023.04.28 19:45

オールシーズンタイヤの評価は、降雪時だけでなく、ドライ&ウェットも大事。1年中履くから、サマータイヤ性能は譲れません。今回は、新・旧ベクター4シーズンズを比較して検証しましょう。

ベクター4シーズンズに新製品

日本でも着実に需要が増えてきているオールシーズンタイヤだが、その牽引役となったのはグッドイヤーだろう。

2016年に発売したベクター4シーズンズ・ハイブリッドがスマッシュヒットしたことが近年のブームに火を付けたのだ。

グッドイヤーのベクター4シーズンズに新製品「GEN-3」「GEN-3 SUV」が登場。高インチ・サイズを揃えるので輸入車ユーザーも選びやすい。
グッドイヤーのベクター4シーズンズに新製品「GEN-3」「GEN-3 SUV」が登場。高インチ・サイズを揃えるので輸入車ユーザーも選びやすい。    宮澤佳久

今年登場した新製品の“ベクター4シーズンズGEN-3”および“ベクター4シーズンズGEN-3 SUV”はプレミアムオールシーズンタイヤと銘打たれており、従来よりも冬性能や夏性能を向上させるとともに、静粛性とライフ性能を大幅に向上させているという。

ちなみに従来品の“ベクター4シーズンズ・ハイブリッド”はスタンダードオールシーズンタイヤとして併売され、SUV用の“アシュアランス・ウェザーレディ”はベクター4シーズンズGEN-3 SUVと入れ替わることになった。

従来品のベクター4シーズンズ・ハイブリッドと見比べるとトレッドパターンに変化が見られる。

トピックは、支え合う構造と浅溝

従来はセンターリブに向かって左右から直線的な溝が斜めに入れられたV字だったが、“ベクター4シーズンズGEN-3”および“ベクター4シーズンズGEN-3 SUV”はセンターリブが排され、V字は曲線的になってなおかつセンターにいくほど細くなっている。

新V字シェイプトレッドと呼ばれ、雪上でのグリップ、排水性能、静粛性などの向上を実現。トレッド中央には大型のサイプが配置されているが、これはサイプの開口が大きくなって排雪性が向上し、雪道でのグリップを高めるものだ。

GEN-3の新V字シェイプトレッドの拡大写真。曲線的なV字が特徴だ。チルダ(~)のように見えるのは、ブロックを支え合い、倒れ込みを抑制する構造。
GEN-3の新V字シェイプトレッドの拡大写真。曲線的なV字が特徴だ。チルダ(~)のように見えるのは、ブロックを支え合い、倒れ込みを抑制する構造。    宮澤佳久

そう聞くとドライ路面での安定性や耐摩耗性能が心配になるところだが、微細グルーブのブレードがブロック間をお互いに支え合う構造になっていて、無駄な動きを抑制するので問題ないそうだ。

また、センターリブがあったほうが直進性は良いと思われるが、新V字シェイプトレッドではセンター部を「浅溝化」してリブと同様の効果を持たせて直進性を向上しているという。

オールシーズンはうるさい?

パターンの配列を細分化して「路面からの叩き音」を分散させているが、それでもV字が曲線的に弧を描いていることで剛性を確保。

静粛性・ドライ性能の両立を実現している。また曲線的なほうが気柱共鳴音が抑制され、これも静粛性向上に貢献する。

GEN-3と従来品を履くフォルクスワーゲン・ゴルフ2台で、同じコースを周回。新V字シェイプトレッドの効果を探る。
GEN-3と従来品を履くフォルクスワーゲン・ゴルフ2台で、同じコースを周回。新V字シェイプトレッドの効果を探る。    宮澤佳久

横溝は奥にいくほど幅が広くなっていく構造となっており、摩耗が進んでも排水性能が確保されウェット性能が持続する。

外側のブロックやアンダートレッドは強固にして負荷がかかっても変形しにくくなり、ドライ性能を向上。また、新オールウェザーシリカコンパウンドの採用で耐摩耗性を従来比で約30%向上したという。

今回は一般道や高速道路、ワインディングロード、クローズドコースなどでのドライ性能、水を撒いてクローズドコースでウェットのブレーキ性能を確認。従来品との比較も行った。

ゴルフ8で“ベクター4シーズンズGEN-3”と従来品を、CX-5で“ベクター4シーズンズGEN-3 SUV”とアシュアランス・ウェザーレディ(SUV用従来品)の一般道での比較試乗を行ったが、さすがに新製品は静粛性が高い。

ザラザラとした路面ではパターンノイズが大きくなっていくが、従来品は少し周波数が高い音が耳障りなのに対して、新製品は抑えられていて、ゴーっという音はあるものの不快感がない。一般的なサマータイヤ並の静粛性だと言っていいだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    石井昌道

    Masamichi Ishii

    1967年生まれ。自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。ワンメイク・レースへの参戦も豊富で、ドライビング・テクニックとともにクルマの楽しさを学んできた。国産車・輸入車のいずれの知識も幅広く、ジャンルを問わない執筆活動を行う。最近では、エコドライブの研究、それを一般ドライバーへ広く普及させる活動に力を入れている。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。

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