V12自然吸気を6速MTで味わう秀逸さ フェラーリ『12チリンドリ・マヌアーレ』 キレのある金属的操作感【UK編集部が実車を取材】
公開 : 2026.07.06 12:05
フェラーリが14年ぶりにマニュアル・トランスミッションを復活させました。新型『12チリンドリ・マヌアーレ』は8速DCTをクラッチバイワイヤで制御し、6速MTとして操ることができます。その操作感を確かめました。
久方ぶりのV12マニュアル車
フェラーリは、14年ぶりにマニュアル・トランスミッションの醍醐味を味わえる新モデル『12チリンドリ・マヌアーレ』を販売する。
クラッチペダルとオープンゲート式シフトを採用したフェラーリは『カリフォルニア』以来であり、V12エンジンとマニュアル・トランスミッションの組み合わせは『599 GTBフィオラノ(日本名:599)』以来となる。

生産台数は1499台に限定され、価格は59万ユーロ(約1億1000万円)で、通常の12チリンドリよりも50%高くなる。
退任するフェラーリの営業責任者エンリコ・ガリエラ氏は、近年、同社の顧客層から最も多く寄せられていた要望がマニュアル・トランスミッションであったと述べた。
ガリエラ氏はマヌアーレを「驚異的なパフォーマンスと感動をもたらす」クルマと表現し、単に満足感を与えるだけでなく、革新的で「妥協のない」ものを提供できるようになるまで待っていたと語った。
この革新性とは、新型12チリンドリ・マヌアーレの最も斬新な要素、すなわち、シフトレバーとリアのトランスミッションとの間にリンケージが存在しないという点にある。実際、このモデルはオートマティック車として型式認証を得ている。
8速DCTをバイワイヤ方式で制御
通常の12チリンドリに搭載される8速デュアルクラッチ・トランスミッション(DCT)を引き継いでいるものの、クラッチペダルやシフトレバーを操作することで、バイワイヤ方式で制御が可能となっている。
このシステムで秀逸なのは、クラッチペダルの位置によって、トランスミッション内のクラッチの噛み合いレベルが変化する点だ。つまり、最高出力830psの12チリンドリ・マヌアーレを優しく発進させるためのゆったりとしたクラッチ操作から、ドリフトを誘発するための激しいクラッチキックに至るまで、あらゆる操作を再現できるということだ。

エンストさせることさえ可能というが、誤ったシフトダウンを許容するほどリアルへ寄せているわけではない。ドライバーがうっかり3速ではなく1速に入れてしまい、バルブトレインを破損するような事態は起こらない。
プロジェクトリーダーのヴァレンティン・マルゲ氏は次のように語っている。
「DCTはそのまま残していますが、その上にドライバーとの新たなインタラクションの層を構築し、伝統的な運転体験を取り戻しました。レバーを握る手や、クラッチを踏む足を通じて感じるあらゆる感覚は、メカニズムに基づいています。人工的な要素はなく、電子制御は単に車両と通信するためだけに存在しています」
つまり、完全なオートマティックモードでも走行可能であり、フェラーリは多くのオーナーがストップ・アンド・ゴーの多い交通状況(渋滞など)では同モードを使用すると予想している。




























































