内燃機関は健在! 25社が同社エンジン採用を決定 ホース・パワートレイン:スターミー賞 #AUTOCARアワード2026

公開 : 2026.07.06 17:25

ルノーとジーリーの合弁会社であるホース・パワートレインは、電動化の時代において内燃機関開発に注力し、環境問題と低コスト化に挑んでいます。その革新性が評価され、AUTOCARアワードのスターミー賞を受賞しました。

電動化の潮流に逆らう内燃機関開発

ホース・パワートレイン(Horse Powertrain)は名目上は新会社だが、そのルーツは2010年にまでさかのぼる。当時、中国のジーリー(吉利汽車)フォードからボルボを買収し、これまで別々だった2つの内燃機関開発事業を1つに統合した。

そして既存の内燃機関の開発を縮小するのではなく、全面的な電動化に向かう業界全体の潮流に逆らった。あえてこの分野に投資し、事業を拡大したのだ。ホース・パワートレインのCEO、マティアス・ジャンニーニ氏は、「内燃機関は、今後も長期間にわたり、より一層改良され続ける必要がある」と認識していたからだと述べている。

ホース・パワートレインのCEO、マティアス・ジャンニーニ氏
ホース・パワートレインのCEO、マティアス・ジャンニーニ氏

ジャンニーニ氏はさらに、「他の多くの自動車メーカーが『EVに集中しよう。EVは急速に普及し、内燃機関は消えゆく運命にあるのだから、そこでは何もする必要はない』と言っていた中で、彼ら(ジーリーとボルボ)がそのようなビジョンを持っていたことは称賛に値します」と続けた。

それから10年余りが経過し、同様の考えを持つルノー・グループのルカ・デ・メオCEO(当時)は、自社の内燃機関開発を『ホース』という同様のコンセプトを持つ独立事業として分社化した。その後まもなく、ホースはジーリーおよびボルボと提携し、『ホース・パワートレイン』を設立した。当初はジーリーとルノーがそれぞれ50%ずつ株式を所有していたが、現在は中東の石油大手サウジアラムコが10%を取得している。

環境汚染とコストの問題に取り組む

今後10年間は、依然として約10億台の自動車が内燃機関で走ると予想されている。そんな中、ジャンニーニ氏は業界には2つの選択肢があったと語る。

「何もしなければ、市場に出回っている車両の半分は、非効率で汚染をまき散らし、コストも高いシステムを搭載したままになります。あるいは、誰かがその問題に対処しなければなりません。そして当社は、その解決に貢献する企業になると決めたのです」

ホースのレンジエクステンダー用ガソリンエンジン『C15』
ホースのレンジエクステンダー用ガソリンエンジン『C15』    ホース・パワートレイン

まさにそれが現在ホース社が取り組んでいることである。ジーリー・グループに属するブランドをはじめ、メルセデス・ベンツ日産ケータハムなど、すでに25社のメーカーが同社のエンジンの採用を決めており、さらに多くの企業と協議が進められている。

実際、ジャンニーニ氏は、「当社が協議していないトップ15の自動車メーカーを選ぶのは難しい」と述べている。この事実だけでも、ホースのビジネスモデルと製品の普遍性が証明されていると言えるだろう。そのため、同社はAUTOCARアワード2026の中でイノベーションと功績を称える「スターミー賞」に選ばれたのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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