マクラーレン 720S GT3に改良型「エボ」登場 エアロダイナミクスと足回り強化

公開 : 2023.02.16 06:25

マクラーレンは、レーシングカーの720S GT3の改良型として「720S GT3エボ」を発表しました。ボディと足回りに多数の改良を施し、エアロダイナミクスやブレーキ性能を改善しています。

世界で活躍するレーシングカーの最新モデル

マクラーレンは、レーシングカーの720S GT3の改良型として、720S GT3エボを発表した。ダウンフォース、冷却性能、ダーティエア対策の改善のために数多くの変更が加えられている。

発売から4年、720S GT3はアジアン・ル・マンやIMSAスポーツカー選手権、GTワールドチャレンジ・ヨーロッパなどさまざまなレースで活躍してきた。2023年はデイトナ24時間レースでの表彰台獲得とともに幕を開けた。

マクラーレン720S GT3エボ
マクラーレン720S GT3エボ    マクラーレン

「720S」の名を冠してはいるものの、サーキット走行用にチューニングされており、最高出力720psのツインターボ4.0L V8エンジン以外は公道用モデルとほとんど共通点はない。また、シャシーとボディには軽量かつ高剛性のカーボンファイバーが使用されている。

720S GT3エボの最も大きな変更点は、新しいデザインのフロントバンパーとスプリッターで、エアロダイナミクスの改善によりダウンフォース強化を図っている。また、車体全体のバランスを前方にシフトさせることでコーナリング性能を高め、レース中のダーティエアの中でより安定した挙動を実現するという。

フロントボンネットにガーニーフラップを追加し、エンジンとブレーキの冷却効率も改善している。

また、リアウィングのガーニーフラップを高くすることでダウンフォースを向上させた。これは全体のバランスを崩すことなく行われた、とマクラーレンは言う。

足回りも強化されている。サスペンションは、オーリンズ製4ウェイ・アジャスタブル・ダンパー「TTX40」と新しいピストンが採用された。フロントとリアのアッパーウィッシュボーンも変更され、フロントはタイヤマネジメントを改善するためにアジャスタブル式となった。

アップライトも新しいもので、フロントには迅速な交換を可能にするボルト止めのブレーキキャリパーと、ホイールとの接触に強いトラックロッドクレビスを使用する。また、ブレーキもより制動力と耐久性に優れたものを採用する。

マクラーレンは720S GT3エボの受注を開始しており、価格は税抜47万5000ポンド(約7650万円)からとなっている。また、既存の720S GT3オーナー向けに、アップデートキットが8万5000ポンド(約1370万円)で販売されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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