いま最も高いフェラーリは? 2023年第1四半期オークション高額落札フェラーリ トップ5

公開 : 2023.04.27 11:45

【第3位】1995年 フェラーリ F50

フェラーリのプレミアムモデルの中で2年ほど前から注目を集めるようになってきたのが、ストイックにメカニズムを追求して開発された349台限定のF50だ。

基本コンセプトは公道を走るF1と謳われ、当時フェラーリが持つF1マシンのテクノロジーを惜しみなく投入して開発されたロードカーである。

第3位 1995年 フェラーリ F50
第3位 1995年 フェラーリ F50    Zach Brehl/Courtesy of RM Sotheby's

カーボンモノコックを始め、ノジュラー鋳鉄シリンダーブロックをシャシー構造材とし、プッシュロッド式サスペンションを備えるなど、当時のF1マシンと同様の構成が特徴だった。

デビュー時は緩いスタイリングと、速いがマイルドなパワーフィール、キャビンの騒音から人気はいまひとつで、21世紀初頭は50万ドル(約5900万円)ほどで取引されていた。

世界的な電動化の波が広がるにつれ、伝統の12気筒を突き詰めた究極のメカニズムを備えたF50が、フェラーリ愛好家から改めて注目されることになったのである。

RMサザビーズ・アメリアイランド・オークションに出品されたF50は、ロッソコルサのヨーロッパ仕様。注目したいのは新車から2022年まで同じオーナーが所有し、走行距離はわずか1342kmにとどまる。

オークションを終えてみれば、走行1000kmで過去最高額の539万5000ドルには及ばなかったが、506万5000ドル(約6億8884万円)と高額で落札され、その人気の高さを示した。

【第2位】1951年 フェラーリ 340アメリカ・バルケッタ・トゥーリング

ここまで近代モデルがランク入りしてきたが、2位になったのは創業間もない1951年に登場した340アメリカ・バルケッタ・トゥーリング・スーパーレッジェーラだった。

排気量1995ccの166シリーズで始まったフェラーリだが、最大のマーケットであるアメリカの顧客から、モアパワー望む声が高まっていた。

第2位 フェラーリ 340アメリカ・バルケッタ・トゥーリング・スーパーレッジェーラ
第2位 フェラーリ 340アメリカ・バルケッタ・トゥーリング・スーパーレッジェーラ    Kevin Van Campenhout/Courtesy of ARTCURIAL

そこでフェラーリは排気量を2341ccに拡大した195シリーズ、2562ccにスケールアップした212シリーズに進化し、1951年には4101ccの340アメリカが送り出された。

トップ5の2位となった340アメリカは、アールキュリアル・レトロモビル・オークションに出品されたトゥーリング製バルケッタでスーパーレッジェーラ(軽量)ボディを架装するS/N:0120Aである。

1951年のル・マン24時間レースや、1953年のセブリング12時間に参戦したヒストリーを持つ。2022年に2度目のレストアが行われ出品時は完璧な状態にあった。

事前に発表された予想落札額は500-800万ユーロで、最終的に570万6000ユーロ(約8億1026万円)で落札されたが、こちらも値上がり傾向にある。

製造台数23台という希少なコンペティション・モデルであることに加え、レーシング・ヒストリーを備え、完璧なコンディションに保たれていたことが評価されたといえる。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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