より攻撃的に! センセーショナル・スーパーカー『フェラーリ296スペチアーレA』(1) パワーウエイトレシオは1.69kg/ps

公開 : 2026.06.19 11:45

フェラーリ『296GTB』、『296GTS』の高性能版となる『296スペチアーレ』、『296スペチアーレA(アペルタ)』をUK編集部が取材します。パワーウエイトレシオ1.69kg/psを実現したそのパフォーマンスとは?

カスタマーも常に大きな期待

2025年4月、フェラーリは『296GTB』、『296GTS』の高性能版となる『296スペチアーレ』、『296スペチアーレA(アペルタ)』を発表した。

ニューモデル誕生から数年後というタイミングで、そのパフォーマンスをさらに高めたスペシャルモデルをリリースするのは、フェラーリに限らずスーパーカーブランドにとっては現在では一般的な商品戦略となっており、カスタマーもまたそれに対して常に大きな期待を抱いているのは確かなところだ。

フェラーリ296スペチアーレA
フェラーリ296スペチアーレA    AUTOCAR

296スペチアーレと206スペチアーレAのデリバリーは、前者が2026年の初頭に、後者は2026年の第2四半期にスタートしている。今回ステアリングを握ったのは、296GTSがベースとなる296スペチアーレA。まずはそのエンジニアリングのハイライトを解説しておこう。

生み出されたより攻撃的な表情

296スペチアーレAのボディは、296GTSの基本的なシルエットはそのままに、さらにエアロダイナミクスの最適化を狙ったものだ。フロントマスクは、大型のエアインテークやF1マシン由来のSダクトを備えるバンパースポイラーの採用などで、より攻撃的な表情が生み出された。

さらにカーボンファイバー製サイドスカート、リアバンパーから立ち上がる垂直フィン、大型化された可変式リアスポイラーやディフューザーなど、特徴的なディテールは多い。

フェラーリ296スペチアーレA
フェラーリ296スペチアーレA    AUTOCAR

フェラーリによれば250km/h時に得られるダウンフォースは、オートマチックで開閉が可能なリトラクタブル式のハードトップを閉じた状態で、435kgにも達しているという。

クーペボディの296スペチアーレと比較すると、296スペチアーレAのウエイトは80kgほど重いが、ボディパネルの多くをカーボンファイバーで構成しているため、ベースとなった296GTSに対しては50kgも軽い数字が実現されていることも見逃せない。もちろんこの軽量性の実現には、ほかにもさまざまな理由があるのだが。

エンジン重量は296GTS比で9kg削減

ミドシップに搭載されるパワーユニットは、120度のバンク角を持つ、3LのV型6気筒ツインターボ(F163型)エンジンに、エレクトリックモーター(MGU-K)を組み合わせたものだ。

エンジン内部の構成部品はその多くが見直され、チタン製のコンロッド、強化ピストン、軽量化されたクランクシャフト、エンジンブロック、シリンダーヘッド、そしてこちらも専用のターボチャージャーハウジングなどが採用された。

フェラーリ296スペチアーレA
フェラーリ296スペチアーレA    AUTOCAR

参考までにエンジンの重量は296GTS比で9kg、ターボチャージャーハウジングも1.2kgが削減されている。最高出力として発表された700psは同様の比較で37psの向上に相当するもの。

これに組み合わされるエレクトリックモーターは、ドライブトレインコントローラーで『クオリファイングモード』を選択した時には180psを発生。システム全体の最高出力は880psとなり、パワーウエイトレシオは1.69kg/psという計算結果が得られる。ミッションは8速DCTと296GTSのそれに等しいが、そのシフトスピードはさらに高速化されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆 / 編集

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王(超王)」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

センセーショナル・スーパーカー『フェラーリ296スペチアーレA』の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事