現代版GTIといえるフィーリング クプラ・ボーン 手頃で楽しいEVのベストは?(4)

公開 : 2023.09.28 19:05

現代版GTIといえるフィーリング

とはいえ、審査員からは称賛する意見が集まった。ジェームズ・ページは、「バッテリーEVとしては、という前置きを省けます」。と楽しさを評価した。

リチャード・レーンは、「この6台では最も高い完成度。エキサイティングではないですが、しっかり運転の充足感はあります」。とまとめている。

クプラ・ボーン 58KWH V2(英国仕様)
クプラボーン 58KWH V2(英国仕様)

「幅広い強みを備え、現代版GTIといえるようなフィーリングですね」。としたマット・ソーンダースの意見が、1番的を得ているだろう。

ホットハッチの起源として、今では一目置かれる初代フォルクスワーゲン・ゴルフGTIだが、当初はそこまで絶賛されていたわけではない。それと同様に、ボーンも後に再評価される可能性がある。

電動ホットハッチの雛形として、ボーンは一定の完成度を得ていると思う。バッテリーEVとしての仕上がりにも優れ、後輪駆動の秀でたバランスで、魅力的なドライビング体験を味わわせてくれる。

クプラ・ボーン 58KWH V2(英国仕様)のスペック

英国価格:3万8395ポンド(約694万円)
全長:4322mm
全幅:1809mm
全高:1540mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:7.3秒
航続距離:421km
電費:6.4km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1736kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:58.0kWh
急速充電能力:125kW(DC)
最高出力:203ps
最大トルク:31.6kg-m
ギアボックス:シングルスピード・リダクション(後輪駆動)

ノミネート車両6台の獲得得点

クプラ・ボーン 58KWH V2:228点
アバルト500e ツーリスモ:208点
MGモーター MG4 Xパワー:196点
ルノーメガーヌ E-テック・エレクトリック・テクノ:194点
キア・ニロEV 4:188点
ホンダe アドバンス:183点

183点のホンダeへヒトコト

筆者も、ホンダeが優勝すると予想していなかったことは事実。航続距離がカタログ値でも210kmでは、勝ち目がない。

ホンダe アドバンス(英国仕様)
ホンダe アドバンス(英国仕様)

しかし、6名の審査員の配点を確認すると、最下位に据えたのはマット・ソーンダースとリチャード・レーン、スティーブ・クロップリーの3人に過ぎない。残る2人は5位に評価しており、筆者は2位の得点を与えた。

全員の評価が低かったわけではない。むしろ自分にとっては、お気に入りの1台だったといっていい。 (マット・プライヤー)

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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