ルノー・メガーヌ・エステートGTライン

公開 : 2012.11.26 18:31

新上陸したメガーヌは、欧州で今年春に“コレクション2012”と題して比較的大規模な改良&仕様変更を施した、いわばフェーズIIの日本仕様ということになる。

今回の仕様変更最大のメダマは1.2ℓ直噴ターボ(従来の1.6ℓガソリン相当のダウンサイジングユニット)の登場なのだが、日本導入はかなわず。日本仕様は従来どおりの2.0ℓ+CVTである。そのかわり、ルノージャポンではこれを機に従来プレミアムラインを廃版にして、グレードをGTラインに一本化しつつエステートを新導入。カングーとRS以外の普通のルノーの売れ行きがいまひとつなのが、ルノージャポンのいつもの特徴……というか悩みのタネ。まあ、彼らが意図的にそういう売り方をしてきたのがその最大の理由(だから当然の結果)でもあるのだが、「スポーティを前面に押し出す既存イメージを継承しつつ、メガーヌをなんとか拡販したい」という思いが、新しいメガーヌ・ラインナップにあらわれている。

今回は鉄板類にまで手を加えるような改変ではないために、従来とのちがいは、LEDを多用したランプ&バンパーやインパネにあしらわれた赤いラインが目立つ程度。今回はシャシー系の変更点もとくにアナウンスされていない。ちなみにGTラインのサスチューンもルノースポールが担当し、クーペの標準仕様と基本的に共通という。

新登場のエステートはハッチバックよりちょい長め(+60mm)のホイールベースを持つので、ハッチバック比でわずかに落ち着いた感がなくはないが、基本的な乗り味はこれまでのハッチバックGTラインと大差ない。従来よりちょっとゴツゴツ風味が増したのは、タイヤが転がり抵抗重視のコンチネンタル・スポーツコンタクト5(従来は同3)の影響と思われる。いずれにしても、PSAのように低速で吸いつくよう“伝統的フランス車らしさ”より、スピードが増すほど安定する高速ツアラー型。タイヤがおとなしいぶんだけ、今年夏に限定販売されたGTよりロール量が小さく感じられるくらい。動力性能はおとなしいのだが、シャシーのスポーツテイストは意外なほど濃い。

(文・佐野弘宗 写真・田中秀宣)

ルノー・メガーヌ・エステートGTライン

価格278.0万円
0→100km/h加速10.6秒
最高速度195km/h
燃費13.2km/ℓ
CO₂排出量175g/km
車両重量1380kg
エンジン形式直4DOHC, 1997cc
エンジン配置フロント縦置
駆動方式前輪駆動
最高出力140ps/6000rpm
最大最大トルク19.9kg-m/3750rpm
馬力荷重比101ps/t
比出力70.1ps/ℓ
圧縮比10.2:1
変速機6段CVT
全長4565mm
全幅1810mm
全高1490mm
ホイールベース2700mm
燃料タンク容量60ℓ
荷室容量524-1600ℓ
サスペンション(前)マクファーソン・ストラット
(後)トレーリングアーム
ブレーキ(前)φ280mmVディスク
(後)φ260mmディスク
タイヤサイズ205/50R17

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