メルセデス・ベンツ C 300de ステーションワゴン(1) 重要度の高いHVハードをチェック
公開 : 2025.12.17 18:05
EVを想定しない基本設計を持つ、W206型Cクラス プラグインHVは最高140km/hまで電気で走行可 上質な内装に好ましい運転姿勢 力強く高い洗練度のパワートレイン UK編集部が試乗
EVを想定しない基本設計の最古参
W206型メルセデス・ベンツCクラスは、電動化への転換期においても重要な位置にある。バッテリーEVを想定しない基本設計として、現ラインナップの最古参の1台でありつつ、高度なプラグイン・ハイブリッドも用意され、根強い支持率を維持している。
登場は2021年。モジュラー・リアII アーキテクチャを採用し、フロントに4気筒エンジンを縦置き。後輪駆動が基本だが、四輪駆動も上位モデルでは選択できる。

エントリーグレードは、1.5Lガソリンターボが170psを発揮するC 180。1つ上の200は、203psを発揮する。258psの300と総合312psのプラグイン・ハイブリッド、300eには、2.0Lガソリンターボが組まれる。
今回試乗した2.0Lディーゼルターボのプラグイン・ハイブリッド、300deの最高出力は313ps。197psか265psのディーゼル・マイルド・ハイブリッドも、欧州では人気が高い。OM654型ユニットには、新しいクランクシャフトが与えられた。
最高140km/hまで電気だけで走行可
トランスミッションは、共通して9速オートマティック。300eと300deには、128psを発揮する駆動用モーターが実装され、最高140km/hまで電気だけで走行可能。駆動用バッテリーは荷室のフロア下に搭載され、19.5kWhの容量を持つ。
このバッテリーは小型化・高密度化され、荷室の段差は従来より小さくなった。DC急速充電にも対応する。そのかわり車重は軽くなく、300deでは2248kgもある。

サスペンションは、前後ともマルチリンク。通常はコイルスプリングが支えるが、プラグイン・ハイブリッドとステーションワゴンには、セルフレベリング機能付きのエアスプリングが組まれる。
AMGラインを選ぶと、通常はコイルスプリングが短くなり、ステアリングラックはクイックになる。だが、300eと300deには与えられない。先代からの流れを汲む、程よく落ち着いたスタイリングは変わらず好印象だ。
運転のしやすさと快適性の落とし所
インテリアは、Dセグメント・クラスの中で間違いなくラグジュアリー。装備も充実している。エントリーグレードでも風合いの良い素材が用いられ、華やかな空間に仕立てられている。部分的に製造品質が及ばず、コスト重視の素材も散見されるが。
運転席周りは、体格の良い大人でも充分広く感じられ、ステアリングコラムやシートの調整域はかなり広い。ただし、試乗車のスポーツシートは、横方向や太もも周辺のサポート性が今ひとつ。ペダル周辺の空間には、若干ゆとりがない。

フロントピラーが太く座面は低いものの、視界は全方向で良好。BMW 3シリーズほどスポーティな運転姿勢ではないが、運転のしやすさと快適性の望ましい落とし所だろう。
正面には、12.3インチのメーター用モニター。初めは情報量が多すぎるように思えるものの、表示内容は調整できる。その左側には、縦に長い11.9インチのセンター・タッチモニター。エアコンの操作メニューが、下部へ常時表示され好ましい。






































































































































































