まだ「思いきった決断」は必要 タイカン級の電動サルーン ニオET7へ試乗 可能性を実感

公開 : 2023.12.28 19:05

クラスリーダーへ化ける可能性もゼロじゃない

乗り心地は良好。操縦性も優れている。低重心と、四輪駆動のパワートレインが効果的に機能している。連続するコーナーを、意欲的に巡っていこうという気にさせるほど。

それでいて穏やかなモードを選べば、安楽な高速クルージングもお手の物。マッサージ機能をオンにすれば、快適至極だ。

ニオET7(欧州仕様)
ニオET7(欧州仕様)

エアサスペンションは、カメラ映像を利用し減衰力を変化させるアダプティブ仕様。路面変化を逐一判断し、大型サルーンへ不満ない隔離性を生み出していた。

英国での価格は今後決まるそうだが、2024年から販売される予定にある。一部の欧州市場では発売済みで、換算すると7万5000ポンド(約1378万円)前後。充実した装備を考えれば、高くはないだろう。

ニオは、月払いで乗れるサブスクリプション・サービスを導入予定で、こちらが主力になる模様。その場合は、毎月1000ポンド(約19万円)前後になるという。

先進的な技術と装備が充実した、ET7。欧州ブランドによる航続距離の長いモデルが、大きく違わない価格で買える時、果たして中国の新興ブランドへどの程度ユーザーが流れるのか疑問は残る。競合の実力は高い。思いきった決断が必要なことは間違いない。

それでも、駆動用バッテリーの交換システムが普及すれば、支持する人は増えるはず。高密度なソリッドステート・バッテリーも、今後搭載予定にあるという。それらが叶えられれば、クラスリーダーへ化ける可能性もゼロではない。

ニオET7(欧州仕様)のスペック

英国価格:7万5000ポンド(約1378万円/予想)
全長:5101mm
全幅:1987mm
全高:1505mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:3.8秒
航続距離:579km
電費:6.4km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2379kg
パワートレイン:誘導非同期モーター+永久磁石同期モーター
バッテリー:90.0kWh(実容量)
急速充電能力:−kW
最高出力:653ps(システム総合)
最大トルク:86.5kg-m(システム総合)
ギアボックス:1速リダクション(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ヴィッキー・パロット

    Vicky Parrott

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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