ロゴを隠せば中国製と推測困難 ニオET5 ツーリングへ試乗 欧州で開発されたEV 490psで560km

公開 : 2023.11.02 19:05

欧州で開発が進められたバッテリーEV、ET5 シンプルで好印象なスタイリングとインテリア 洗練されたパワートレイン 英国編集部が一般道で評価 

欧州で開発が進められた電動ステーションワゴン

中国の振興自動車ブランド、ニオがいよいよ英国での販売をスタートする。既に欧州の5か国へ進出済みで、グレートブリテン島には2025年に上陸するようだ。

これまでのニオのモデルは、中国で開発・製造され、欧州市場へ合わせてシャシーなどへ調整が加えられていた。しかし、今回試乗したET5 ツーリングは欧州で開発されている。この市場へ最適化させるために。

ニオET5 ツーリング 100KWH(欧州仕様)
ニオET5 ツーリング 100KWH(欧州仕様)

歴史の浅いブランドだと、高をくくらない方がいいだろう。見た目はスタイリッシュで、走りや乗り心地は褒められる。既存のライバルに並べるほどの、なかなか印象的なバッテリーEVだ。

他メーカーの上級モデルと同様に、ボディスタイルには4ドアサルーンと大きなテールゲートの付いたステーションワゴンが用意される。バッテリーEVの場合、まだステーションワゴンは珍しい存在といえる。

ET5 ツーリングの全長は4790mm、全幅は1960mm、全高は1500mmあり、ホイールベースは2888mm。既存モデルの中ではBMW i4と近く、テスラモデル3より約100mm長い。

このサイズはサルーンでも同一で、異なる部分はCピラーより後ろ側のルーフライン。荷室の容量はサルーンで386Lだが、ツーリングではトノカバー下で450Lまで大きくなる。リアシートの背もたれを倒すと、1300Lまで拡大できる。

シンプルで好印象なスタイリングとインテリア

ボディはシンプルな面構成ながら、存在感は小さくない。カッコイイと感じる読者もいらっしゃると思う。未来的な雰囲気はテスラにも似ているが、プロポーションは低く伸びやかで、遥かにスポーティだと思う。

ブレーキキャリパーはレッドに塗装され、リアバンパーの下には大きなディフューザーが備わる。テールゲートの上部には、ひさしのようなスポイラーが伸びる。

ニオET5 ツーリング 100KWH(欧州仕様)
ニオET5 ツーリング 100KWH(欧州仕様)

インテリアデザインは更にシンプルだが、こちらもまとまりは良い。ミニマリスティックでありつつ、モデル3より温かみがある。内装には風合いの良い素材が用いられ、全体的なセンスも悪くない。製造品質も素晴らしい。

例によって、ダッシュボードの主役は大きなインフォテインメント用タッチモニター。縦に長く、サイズは12.8インチ。ドライバーの正面にも、スリムなメーター用モニターが据えられる。

写真のとおり、実際に押せるハードスイッチはパワーウィンドウ用以外になく、あらゆる車載機能はタッチモニターを介して操作することになる。システムを使いこなすには、ある程度の学習と慣れが必要なようだ。

ET5 ツーリングの場合、後方まで伸びる大面積のグラスルーフが標準で備わる。沢山の光が車内へ降り注ぎ、リアシートも開放的な雰囲気にしている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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