社会人1年目、ポルシェを買う。

2018.08.19

第71話:そもそもナゼ、空冷ポルシェの価格は高騰したの?

なんだかドキドキしてきた

上野さん、どうして空冷ポルシェは、
あんなに高騰してしまったのでしょうか?
ストレートな質問をぶつけてみた。

「ふむ、それではまず趣味車の
 ここ最近の『浮き沈み』を振り返ろう」
ということで話を聞いていくと、
2000年くらいから値あがり傾向にあり
2007年のリーマンショックでドンと値落ちし
2008年以降はこれまで以上の勢いで値上がり、
2014〜2015年にピークに達した
という全般的な傾向を教えてくれた。ほー。

なかでも2008年以降の値あがりは
「プロのしわざ」
という言葉をつかって上野さんは表現した。

「投機筋」がグイグイと入り込み、買う。
これが急激な値あがりの原因となっており
「証拠はないけれど、その尻尾が見え隠れする」
とのことだった。
そもそもクルマ好き(のお金持ち)だけなら
あんなに値あがりはしないという。たしかに。

ちなみにプロフェッショナルは、
価格を高めたいモデルを意図的に出品する。
それを辛抱強く繰り返し、市場に意識づけする。
そしてそのクルマの相場を造ってゆく。

値があがりしはじめると
「今買わないと、もう買えなくなる」
といったイメージを一般オーナーに刷り込む。

結果的に相場をあげてゆく、なんていうことも
戦略としておこなったりするのだそうだ。
なんだかドキドキしてきた……。

こうして欧米の相場があがったことにより、
日本の相場も引っ張られて上昇という経緯がある。

また海外で高騰し始めた時に、
日本市場は数割から半値近いバーゲン価格だった。
そのため、世界中からバイヤーが殺到して
きれいな個体をゴッソリ買って行ったそうだ。

日本のお店が世界的な値あがりに気付いたころ
そのとき残っていたほとんどは
人気のないクルマか程度がイマイチのものだった。

フェラーリの人気モデルは根こそぎ持っていかれ、
ポルシェではナナサン・カレラを筆頭に、
ヨンカレ、ゴカレ、964RS、993RSあたりの
程度の良いクルマが流失してしまったそうだ。
なんだか悲しい気持ちになってきた……。

そこでひとつ、疑問がまた湧いた。
高騰するクルマはどんなクルマなのだろう?

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