クルマ漬けの毎日から

2024.08.18

まもなく生産終了となるジャガーIペイスと、デビューしたばかりのフィアット・グランデ・パンダについて、思うところをお伝えします。

去るジャガーIペイス、来たるフィアット・グランデ・パンダ【クロプリー編集長コラム】

もくじ

Iペイス まもなく生産終了
ジャガー 新時代へ移行中
発進! 新型フィアット・グランデ・パンダ

Iペイス まもなく生産終了

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)

ジャガーをEVメーカーとして印象づけた、SUVクーペのIペイスの生産終了が近づいて来た。なんだか信じられないニュースだ。というのも、Iペイスはじつに良い走りをするし、スタイリングも新しく見えるから。

だが、納車開始から6年が経過した。また、Iペイスはオーストリアのマグナ・シュタイアで製造されており、このことは間違いなく、Iペイスの利益を目減りさせている。さらにいろいろ考えてみると、Iペイスは「ここで生み出されたクルマではない」という「そぶり」を、ジャガーが見せていることにも気がつく。Iペイスを計画した主要な人たちはジャガーを去り、ジャガーのビジネスに対する考え方はかつてとは変わってしまったのだ。

ジャガー 新時代へ移行中

Iペイスの終焉は、ジャガーが大胆に新たな時代へ実際に移行していることを示す最新のシグナルだといえる。ジャガーというクルマもその価格も顧客も、これまでとはまったく異なる世界へシフトしているのだ。

ところで、是非とも知りたいことがある。それは、ジャガーは「ジャガーの遺産(ヘリテージ)」を使うのだろうかということ。 また、もし使うのならば、どのように使用するのか? ジャガーの持つ遺産は、おそらくイギリスのどの自動車ブランドよりも最高に価値が高い。

現在ジャガーが取り組んでいる計画は、アメリカで新たなコンセプトカーを発表すること(今年終盤)。また、おしゃれで高級な「ブティックショールーム」をパリに初開設することも計画している。ところで、ジャガーはイギリスのことをどのように考えているのだろうか? ジャガーはいまもイギリスの自動車ブランドであるし、外国でジャガーを買う人たちも、ジャガーにイギリスらしさを持ち続けて欲しいと思っているのだが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。

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