レトロで無骨なクロスオーバー 全長4.0m未満、フィアット新型「グランデ・パンダ」来年発売へ

公開 : 2024.06.18 18:05

フィアットが新型「グランデ・パンダ」を発表。新しいパンダファミリーの第1弾で、全長3.99mのBセグメント・クロスオーバーとなる。マイルドハイブリッドとBEVを導入する見込みだ。

生まれ変わった「パンダ」

第4世代となる新型フィアット・パンダが発表された。レトロで無骨な都会派クロスオーバーで、新世代のデザインと電動パワートレインを備えている。

イタリアの自動車メーカーであるフィアットは6月14日、Bセグメントの新型クロスオーバー「グランデ・パンダ(Grande Panda)」を欧州で初公開した。価格は未定だが、2025年初頭から欧州、中東、アフリカで順次発売される予定だ。

フィアット・グランデ・パンダ
フィアット・グランデ・パンダ    フィアット

親会社ステランティスのスマートカー・プラットフォームを採用し、全長3.99mと現行型よりもやや大型化した。このプラットフォームは内燃エンジン、ハイブリッド、バッテリーEV(BEV)の各パワートレインを搭載可能で、新型シトロエンC3にも採用されている。

グランデ・パンダではおそらくC3とパワートレインを共通化し、マイルドハイブリッド1.2L 3気筒ターボガソリンエンジンと航続距離320kmのBEVが導入されるだろう。

コンセプトカーのような外観だが、画像の車両は市販車バージョンだ。「強さと独自性」というフィアットの新しいブランド価値を反映しており、直線基調のスクエアなボディや、トリノにある旧リンゴット工場の窓から着想を得たとされるピクセル型ヘッドライトが特徴だ。

こうしたデザインは、今後の “パンダファミリー” にも反映されるという。グランデ・パンダを筆頭に、2027年まで毎年派生モデルを展開していく。コンセプト段階では、中型SUV、クーペ・クロスオーバー、ピックアップトラック、ミニバンなどが候補として挙げられていた。

重要なのは、パンダファミリーは500を中核とする他のモデルラインとは一線を画したものになるということだ。

現行型も2027年まで生産継続

グランデ・パンダのインテリアはまだ公開されていないが、フィアットは「快適な家族生活と現代的なアーバンモビリティに最適」と述べている。

以前公開されたデザインスケッチでは、旧リンゴット工場の屋上テストコースを基にした楕円形がテーマとなり、開放的で広々とした居住空間を目指していた。

「パンディーナ」とも呼ばれる現行型パンダ
「パンディーナ」とも呼ばれる現行型パンダ

なお、現行型のパンダ(パンディーナとも呼ばれる)については、「少なくとも」2027年まで生産継続することをフィアットは認めた。

販売開始から13年目を迎えるパンダだが、需要はいまだに高く、生産台数を20%増やす計画だ。

今年の夏には、アクティブ・セーフティ機能、アップグレードされたドライバー・ディスプレイ、新しいステアリングホイールなどを備えた改良新型が発売される予定である。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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