クルマ漬けの毎日から

2025.11.09

ブリティッシュ・モーターミュージアムを訪問中、ロータスの幻のレーシングカーを見ることができました。1969年当時の設計図をもとに、現代の技術で製作された「ロータス・タイプ66」です。

幻のレーシングカー「ロータス・タイプ66」を見ました!【クロプリー編集長コラム】

もくじ

プロトタイプの1台 ミュージアムに展示
当時の設計図をもとに

プロトタイプの1台 ミュージアムに展示

かつてV8搭載モデルにしばし関心を持ったことと、また現在フォードのツインターボV6モデルを所有していることを例外とすれば、私はいつもシンプルなエンジンを搭載した小型のロードカーを好んできた。

なので、830bhp(841ps)のシボレー製V8を搭載した幻のCan-Amレーサー「ロータス・タイプ66」を運転してみたいという衝動に、なぜいま駆られているのかは自分でもよくわからない。

1970年のカナディアン・アメリカン・チャレンジカップ(通称Can-Am)を目指していたロータス。その計画から50年以上経た2023年、ロータスはタイプ66を製作し、初公開した。

この謎めいたマシンには、ブリティッシュ・モーターミュージアム(イングランド中部のゲイドン)の収蔵責任者のスティーブン・ラング氏と、AUTOCARの同僚マット・プライヤーとともに、この博物館内を歩いていた時に偶然出くわした。

この日、私たちは「AUTOCAR創刊130周年」となる11月2日になるべく近い水曜日(11月5日)に配信するポッドキャストを収録していた。

このタイプ66は、ロータスが10台ほど製作した素晴らしいプロトタイプのうちの1台で、ロータスの伝統の地「へセル」の保管庫からミュージアムへ持ち込まれ、公開されていたのだ。

当時の設計図をもとに

このタイプ66は、1969年にコーリン・チャップマン(ロータス創業者)の指示を受けて作成された設計図をもとに、数年前につくられた。

ロータスはカナディアン・アメリカン・チャレンジカップ(通称Can-Am、当時マクラーレンが圧倒的な強さを誇っていたシリーズ)への参戦を計画していたものの、結局実現しなかった。

しかし、のちに設計図が発見され、タイプ66は現在のモータースポーツの専門技術を使って、当時のオリジナルのレイアウトで製作されたのだ。

ブリティッシュ・モーターミュージアムに展示されたロータス・タイプ66。

ブリティッシュ・モーターミュージアムの説明によると、数年前の発表では、ロータスは10台のサーキット専用モデルを製造し、1台につき100万ポンド(約1億8500万円)を超える価格で販売を計画しているという。

へセルの状況が不確かである現在、この計画が本当に実行されるのかは誰もが疑問に思うところであろう。とはいえ、中央に配置されたドライバーズシートは上質な雰囲気で、なんとも魅力的に思えた。

ところで、試乗会は開催されるのだろうか……

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。

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