理想像のハイパフォーマンス ベントレー・フライングスパー・アズール トラッドな贅沢さへ魅了

公開 : 2025.11.17 18:05

680psの控えめなフライングスパー、ハイパフォーマンス 英国流の上質さが心地良い車内 欠点が見当たらない操縦性や快適性 どんなリムジンより魅力的な運転体験 UK編集部が試乗

680psの控えめなハイパフォーマンス

現在のベントレーは、V8プラグイン・ハイブリッドの「ハイパフォーマンス」と「ウルトラパフォーマンス」、2種類のフライングスパーを提供している。最高出力680psで、0-100km/h加速3.9秒の前者を、控えめな選択肢だと捉える人は殆どいないはず。

ベースグレードの「コア」と、「アズール」のフライングスパーで、ハイパフォーマンスは選択できる。オプションを選ばなければ、コアなら英国では20万ポンド(約4080万円)以下でオーダー可能。ディーラーの説得は、至難の業だと思うが。

ベントレー・フライングスパー・アズール V8ハイパフォーマンス・ハイブリッド(英国仕様)
ベントレー・フライングスパー・アズール V8ハイパフォーマンス・ハイブリッド(英国仕様)

試乗車は、1つ上のアズール・ハイパフォーマンス。グロスブラックではなく、クロームメッキ仕上げのボディトリムが、クラシカルでエレガントな雰囲気を醸し出す。

英国流の上質さが心地良いインテリア

「ハイ」と「ウルトラ」のパワートレインで、技術的に異なる部分はない。4.0L V8ツインターボエンジンも、ハイブリッド・システムも、基本的に同じ。差別化のため、僅かにパワーダウンされている程度だ。

アズールでは、アクティブが付くエアサスに後輪操舵、トルクベクタリング、アンチロール機能が実装され、スピードなどとの差は更に小さい。駆動用バッテリーは22.0kWhと大きく、電圧48Vの補機バッテリーとともに、荷室の底部へ隠れている。

ベントレー・フライングスパー・アズール V8ハイパフォーマンス・ハイブリッド(英国仕様)
ベントレー・フライングスパー・アズール V8ハイパフォーマンス・ハイブリッド(英国仕様)

内装はベルーガ・レザーで仕立てられ、英国流の上質さが心地良い。ウォールナット・パネルは鏡面仕上げで、金属製のダイヤルなどは精巧なローレット加工。どんな高級サルーンでも、仕上げの壮観さや贅沢さでは敵わないだろう。

タッチモニターなど、デジタル技術の主張は控えめ。ハードスイッチが沢山並び、操作性を担保しつつ見た目に美しい。前席側は、まさに極楽。後席側は期待ほど広くなくても、豊かな人生を送っていることを実感させる。荷室は狭めだが。

欠点が見当たらない操縦性や快適性

ドライブモードは、スポーツ、コンフォート、カスタム、ベントレーから選択可能。スポーツ・モードでは、勇ましい唸りが乗り手の気持ちを刺激する。コンフォートとベントレーでは、可能な限り190psの駆動用モーターが巨体を動かす。

V8エンジンの回転状態を問わず、洗練度に唸る。扱いやすさも変わらない。ただし、渋滞時に回生ブレーキが自動的に強くなる制御には、慣れが必要。柔らかめのブレーキペダルの反応が、踏み始めで変わってしまうから。

ベントレー・フライングスパー・アズール V8ハイパフォーマンス・ハイブリッド(英国仕様)
ベントレー・フライングスパー・アズール V8ハイパフォーマンス・ハイブリッド(英国仕様)

車重2596kgに対し680psだから、右足を倒せば確実に速い。駆動用モーターが加勢し、太いトルクを享受できる。コンフォート・モードでも、あっという間に高速域へ到達する。以前のW12エンジンより、サウンドも素晴らしい。

操縦性や快適性には、パワートレイン以上に欠点が見当たらない。アクティブ・エアサスとアクティブ・ステアリングで、想像以上に上品で機敏。22インチ・ホイールが稀に路面の不整をトントンと伝えるものの、遮音性にも優れる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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