プレミアム感大上昇 テスラ・モデル3 デュアルモーター(1) 2026年仕様のハード概説

公開 : 2026.01.07 18:05

ビートルに並ぶ歴史的モデルといえる、モデル3が小改良 内装の質感大幅アップ コラムレバー復活 後席側にもタッチモニター追加 BMW i4 M50凌駕の動力性能は不変 UK編集部が試乗

モデルTやビートルに並ぶ歴史的モデル

イーロン・マスク氏の大胆な行動や発言へ注目は集まりがちだが、テスラモデル3フォード・モデルTやフォルクスワーゲンビートルに並ぶ、歴史的モデルであることは間違いない。カリフォルニアで生まれたバッテリーEVは、業界の変化を促した。

その登場は2017年。8年が過ぎ、ヒョンデ・アイオニック6やBMW i4BYDシールなど競合は増える一方。速さや航続距離だけでなく、上質さや個性など、EVへの要求度は高まっている。それへ応えるように、テスラは2025年にアップデートを実施した。

テスラ・モデル3 デュアルモーター・ロングレンジ(英国仕様)
テスラ・モデル3 デュアルモーター・ロングレンジ(英国仕様)

駆動用バッテリーは高密度化され、ロングレンジ版では、最長749kmを1度の充電で走れると主張される。新しいメルセデス・ベンツCLAが、強く意識されたに違いない。価格も改定。廉価仕様なら、英国では4万ポンド(約816万円)を切る。

アルミ製ボディのスタイリングは2024年に更新され、Cd値は0.23から0.22へ改善。シャープなヘッドライトを獲得し、バンパーからはエアインテークが省かれた。テールライトも新しいが、ガラスエリアが広くスムーズな面構成は変わらない。

ツインモーター版の最高出力は恐らく498ps

基本構造は継投され、モノコックはスチール製で、サスペンションは前がダブルウイッシュボーンの、後ろが5リンク。全長は4720mmあり、全幅が1850mm、全高は1441mmで、長いホイールベースが特徴だろう。近年は中国・上海でも生産される。

駆動用バッテリーは、容量57.5kWhではリン酸鉄リチウム(LFP)ユニットで、ロングレンジの75.0kWhではニッケル・マンガン・コバルト(NMC)ユニットが載る。急速充電は前者で170kW。後者は250kWが主張される。

テスラ・モデル3 デュアルモーター・ロングレンジ(英国仕様)
テスラ・モデル3 デュアルモーター・ロングレンジ(英国仕様)

駆動用モーターは、後輪駆動のシングルモーターに244psの永久磁石同期モーターを採用。四輪駆動のデュアルモーターでは、フロントへ回転ロスの小さい非同期モーターが追加され、これは推定だが、498psを発揮する。テスラは、数字を公表していない。

トリムグレードの選択肢はなく、ユーザーが指定できるのはボディとインテリアのカラーと、ホイール程度。高度な自律運転機能も、望めば実装可能だ。

内装の上質感大幅アップ コラムレバー復活

インテリアは、無駄を削ぎ落としたデザイン。だが2025年のアップデートで、ウインカーレバーが復活を果たした。手動でワイパーを動かしたい時、タッチモニターへ触れずに済むよう、ステアリングホイール上へボタンが追加されたことも評価したい。

内装の質感は、上位モデルへ匹敵するほど高級感が生まれた。ダッシュボードの化粧パネルにファブリックを指定できるなど、カスタマイズできるようになった点もうれしい。走行時の不愉快なきしみ音は、消えたようだ。

テスラ・モデル3 デュアルモーター・ロングレンジ(英国仕様)
テスラ・モデル3 デュアルモーター・ロングレンジ(英国仕様)

車内空間は、標準のパノラミック・ガラスルーフが心地良く陽光を届けてくれ、開放的。前後の席で、平均的な大人が快適に過ごせる。

荷室の容量は、フロントの「フランク」を合算して682L。リアのトランクだけで594Lあり、BMW 3シリーズより広く、スクエアで荷物を載せやすい。カップホルダーには、スライドできる蓋が備わる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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