追求したのは「リアル性能」現場で使える軽商用EV 三菱ミニキャブEV

公開 : 2024.04.10 11:00

街乗りから高速道路まで 幅広いステージで十分な実用性

「ミニキャブEV」を走らせて感心するのは、走りの良さだ。モーター駆動ということで、スタートの直後から最大トルクとなる195Nmのパワーを使うことができる。ただし、飛び出すような唐突さもなく、アクセル操作に対して素直に走る。モーターの制御は非常にち密なのだろう。

荷物を満載して、ゴー&ストップを繰り返す配送業務には、ぴったりの特性だ。また、アクセルを踏まなくとも、じわじわと進むクリープがあるので、配送先や駐車場所を探して微低速で走るのも容易だ。急な坂道で後退を防止するヒルスタートアシスト機能があるのもありがたい。

最高出力は31kW(42PS)とパワフルとは言えないけれど、シフトを通常のDポジションで走っていれば、苦も無く流れに乗ることができた。

また、ECOポジションにすると、低速域の変化は小さいが、高速域でのパワー感が抑制されていることで、航続距離の伸長に大きく貢献しそうだ。シフトポジションによるパワー感の違いが大きいので、走行シーンによって使い分けてみることをお勧めする。

積載性の高さが魅力のハイルーフのため、全高は1915mmもあるけれど、コーナーでふらつくなどの不安はほとんどない。重量物であるバッテリーが床下にあるための低重心が効いているのだろう。

振動や騒音は少なく、アクセル操作に対して大きなトルクも出るし、コーナーも安定しており、意外や気分よく走ることができるのだ。

三菱ミニキャブEV 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    1986年生まれ。クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。
  • 編集

    上野太朗

    Taro Ueno

    1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測というエリート・コース(?)を歩む。学生時代はボルボ940→アルファ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ156→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かす。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。

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