ロードテスト フェラーリ488ピスタ ★★★★★★★★★☆

公開 : 2019.08.18 11:50

V8フェラーリのサーキットスペシャルは、第4世代にして700psの壁を突破。先代モデルやライバルと比べて、玄人好みなところに欠ける味付けですが、エンタテインメント性抜群の走りは非常に魅力的でした。

はじめに

フェラーリがV8ミドシップモデルの、各世代の末期にサーキットスペシャル仕様を設定するのは、マラネロの商品戦略の定番となった。360チャレンジストラダーレで2003年にはじまったそれの最新作が、今回取り上げる488ピスタである。

360CS、430スクーデリア、458スペチアーレといった前任者たち、またGTレース参戦のためのホモロゲーションモデルとして1993年に登場した348GTコンペティツィオーネでも、これほど大幅なパフォーマンス向上を果たしてはいない。

2003年登場の360チャレンジストラダーレ。
2003年登場の360チャレンジストラダーレ。    Luc Lacey

このクルマのおかげで、スモールフェラーリの最強バージョンはスーパーカーのヒエラルキーを飛び越えたものとなった。458スペチアーレが605psだったのに対し、もはや600psクラスを卒業する720psという出力を誇るのである。

V8ツインターボは、構成部品の50%を刷新し、とんでもない速さを実現した。これほどのパワーアップのペースはそう続くものではないと思うかもしれないが、マクラーレン720Sに匹敵する最高出力と最大トルクをこのクルマが得たのは事実だ。

それに加え、おなじみとなったダウンフォースを生むカーボンファイバーのボディワークは装備を簡素化して軽量化したキャビン、サーキット志向の改良を図ったサスペンションも与えられている。

また、これは超ハイグリップなミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2Rを履く市販車を、MIRAのドライサーキットへ持ち込む最初の機会となる。目を見開くような加速性能とラップタイムが期待される史上最強のV8フェラーリ、そのテストの模様をレポートしていこう。

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